キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2020.11.04

年収を取る?休日を取る?正社員薬剤師の職場の選び方

年収を取る?休日を取る?正社員薬剤師の職場の選び方

薬剤師の雇用形態は正社員、パート、派遣など様々です。働き方によってそれぞれメリットやデメリットがあるなかで、正社員薬剤師が自分の希望通りの職場に転職するためにはどうすればよいのでしょうか。

この記事では、正社員という雇用形態で自分の希望する職場を選ぶためのポイントをご紹介します。ミスマッチを防ぎ、理想の職場で働くためにもぜひ確認しておきましょう。

正社員薬剤師へ転職する前に確認しておくべきこと

指を差す薬剤師のイメージ

薬剤師はほかの職種と比べて売り手市場と言われてきましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で、薬局の売り上げが落ち込み、雇用環境が急激に変化しています。このような環境の中で、今の職場を簡単に辞めてしまい何となく転職活動を始めるのは大きな失敗につながります。

特に、正社員として働くとなれば長期雇用が前提となり、業務での責任も大きくなるでしょう。転職先でうまくいかずにまた転職...と職場を転々としていては、今後のキャリア形成にも影響を及ぼします。そうならないためにも、まずは転職しようと思ったきっかけや今後の目標、どのような働き方をしたいのかを明確にし 、自分が理想としている職場をはっきりと思い描いてみましょう

例えば、「年収を上げたい」「もっと教育制度が整った場所で働きたい」「休日や自由時間を増やしたい」など、働くうえで重要視していることをあげていくと、自分が本当に求めている職場を探しやすくなるでしょう。ただし、希望が多すぎると条件に合う職場がなかなか見つからないどころか、選択肢を狭めることにもつながります。希望を出すときにはある程度の優先順位を決めて、どうしても譲れない部分を明確にするのがポイントです。

正社員薬剤師の希望に合う職場の選び方は?

メリットデメリットの天秤のイメージ

「正社員の薬剤師としてどのように働きたいか」を明確にしたら、それを叶えられる職場を探していきましょう。ここでは希望別に具体的な職場の選び方を紹介します。

職場の選び方①「年収を上げたい」

■比較的給与の高い業態を選ぶ

薬剤師の代表的な職場としては調剤薬局、病院、製薬会社などがあげられ、同じ薬剤師でも勤務先によって収入に大きく差が出てきます。年収を上げたいと思うなら、比較的給与額の高い製薬会社やドラッグストアなどを選ぶと希望の収入に近づける可能性が高くなるでしょう。

しかし、製薬会社やドラッグストアでも、地域や規模の大小で条件は変わってきます。給与アップを重視するのであれば、地域や会社の規模にも注目しましょう

■これまでの経験やスキルを活かせる職場を選ぶ

薬剤師が比較的多い地域では、薬剤師資格を持っているだけでは相対的に収入が上がりづらい場合もあります。「認定薬剤師」「専門薬剤師」などの資格や、「管理薬剤師」「ドラッグストアの店長」などの役職経験があれば積極的にアピールし、給与アップを目指しましょう。

ただし、即戦力として期待値も高くなるため「転職できたから良し」ではなく、継続的な自己研鑽に励むことが大切です。

■入社時の年収だけでなく、その後の昇給制度にも注目する

年収を上げたいのであれば、入社後にしっかり給与が上がっていくかどうかも重要なポイントです。どれだけ入社時の給与が高くても、それ以降上がるチャンスがなければ生涯年収にも大きく影響します。また、年収で見るとそこまで高くない場合でも、住宅補助などの福利厚生が充実していると、結果的に年収が高くなるケースも。求人票を見る際は年収だけでなく、昇給制度や福利厚生にも注目しましょう

■薬剤師が不足している地域を選ぶ

とくに地方などの薬剤師が不足している地域では、年収も相場以上に高く、福利厚生が充実している求人も多くあります。都心に比べて家賃や物価も安い傾向にあるため、条件によっては自由に使えるお金を大きく増やすことができるでしょう。

一方で、薬剤師の人数が足りない分、多忙な状況になることも少なくありません。入職前には必ず在籍人数や1日の処方箋枚数などを確認したうえで転職を決めましょう。

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職場の選び方②「休日や自由に使える時間を増やしたい」

■勤務日数・勤務時間の融通が利く職場を選ぶ

労働基準法では、使用者は原則として1日8時間以上、1週間に40時間以上を超えて労働させてはいけないことが決められていますが、反対に最低勤務時間はとくに定められていません。正社員だからと必ず週に5日×8時間働く必要はなく、たとえば働く日数を週3~4日に減らしたり、時短勤務で働く時間を調整したりと、自分に合った働き方を選択できる人事制度がある職場を狙うのも有効です。

ただし、当然ながら週5日✕8時間の勤務に比べて給与は下がるため、給与と労働時間のバランスを見ながら検討しましょう。

■完全週休2日制の職場を選ぶ

休日を重視する場合、月にどれくらいの休みが取れるのかも確認しておきたいポイントです。休日の条件でよく見られるのが「完全週休2日制」と「週休2日制」。求人票に見られる よく似た言葉ですが、意味は大きく異なるので確認しておきましょう。

「完全週休2日制」は毎週必ず休みが2日取得できることを指します。一方で「週休2日制」は、週に2日の休みが月に1回以上あることを意味しています。そのため、自由に使える時間を増やしたい場合は「完全週休2日制」の職場を選択すると良いでしょう。

■残業の少ない職場を選ぶ

残業の有無も職場によって大きく異なるため、できれば事前に知っておきたい項目です。その職場の忙しさの目安は「1日の処方箋枚数/薬剤師数」で知ることが出来ます。1人の薬剤師が扱える処方箋の上限は、1日40枚と厚生労働省令で定められています。それをひとつの基準に、確認ができそうであれば面接や店舗見学の際に聞いてみるのもおすすめです。

職場の選び方③「スキルアップが可能な環境で働きたい」

■スキルアップに関する福利厚生に注目する

働きながらスキルアップを目指すなら、資格取得をサポートしてくれる福利厚生の支援制度や研修制度が充実している職場を選択しましょう。最近では薬剤師としての資格や知識習得に関するサポートだけでなく、コミュニケーションやロジカルシンキングなど社会人として必要になる考え方やスキルの研修を行っているところもあります。

これらはスキルアップだけでなく昇給にもつながる大切なことですが、むやみに資格を習得したり研修に参加したりするだけでなく、今後のキャリア形成を自分のなかで整理して目標を定め、必要なスキルを身につけるようにしましょう

職場の選び方④「人間関係の良い職場で働きたい」

■自分の得意なコミュニケーションを理解する

薬剤師が働く職場は調剤薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社など多岐にわたります。それぞれの職場ごとで求められるコミュニケーションには違いがあるので、そうした特徴を把握したうえでの職場選びはとても大切です。

たとえば、調剤薬局は狭い空間で長時間にわたり、同僚や先輩薬剤師とのコミュニケーションをとることが必要であり、病院なら医師や看護師など様々な立場の人と関わらなくてはなりません。ドラッグストアにおいては患者さまだけでなく、買い物に来たお客さまへの接客も求められることになるでしょう。

自分は大人数と広くコミュニケーションをとるのが得意なのか、少人数とじっくり関わるのが得意なのかを考え、最適な職場を選択しましょう。

■職場見学をしてみる

求人票を見ていると、職場の雰囲気についての記述が多く見られます。ただ、実際のところは入ってみるまでわからないもの。入ったあとに「こんなはずじゃなかった...」と思うことがないよう、事前の職場見学で雰囲気をつかんでおきましょう。

職場見学の際は、薬局内が整理整頓されているか、薬剤師の様子はどうかまでしっかりと見ておくのがおすすめです。直接薬剤師と話せる機会があれば、仕事内容ややりがいなどを積極的に聞いてみるのも良いでしょう

■男女比のバランスがいい職場を選ぶ

薬剤師は女性の割合が多い職業。必然的に女性の多い職場が多くなりますが、選べるのであれば男女比のバランスが整った職場を選ぶと良いでしょう。もちろん一概にはいえませんが、性別の比率が偏っている職場は同性同士の確執も生まれやすく、人間関係のトラブルが起きやすい傾向にあります。可能であれば面接や職場見学で事前に確認できていると安心です。

「自分が納得できる職場」を選べるかどうかが、職場選びのポイント

自分の理想とする職場がはっきりとわからないまま転職活動をはじめると、転職後に「こんなはずじゃなかった...」と後悔することになりかねません。まずは退職理由や今後の希望条件を自問自答してしっかりと整理し、入職後にギャップが起きないよう、事前の情報収集を行うことが重要です。

「自分に合う職場がわからない...」「いろいろな職場がありすぎてどう選べばいいのかがわからない...」など判断に迷ったときは、薬剤師転職のプロである専門のコンサルタントに相談するのがおすすめです

年収金額の交渉、制度や職場環境といった詳細確認など自分ではなかなかできないことも、転職コンサルタントを通せばスムーズに解消します。まだ転職を決めていない漠然とした段階から相談にのってもらえるので、気軽に相談してみるといいでしょう。きっとたくさんの求人のなかから、あなたの希望に合った職場を見つけてくれるはずです。

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ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2020/11/04

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