- 公開日:2026.04.23
薬剤師の転職時期、おすすめはいつ?求人動向の違いや働きながら進めるコツも解説

薬剤師の転職に「おすすめの時期」は一つではありません。多くの選択肢の中から選びたいのか、ライバルが少ないタイミングがいいのか、あるいは条件アップを重視したいのかなどによって、動き出すべき転職時期は大きく変わります。
本記事では、年間を通した薬剤師求人の動向をもとに、さまざまな切り口から転職に適したタイミングを解説します。あわせて、現職を続けながら転職活動を進める際のポイントや、転職にかかる期間の目安についてもご紹介します。重視する条件と転職スケジュールを逆算しながら、自分にとって望ましい動き出しの時期を考えるための参考にしてください。
- 【正社員】年間求人動向と各月の特徴
- 【派遣・パート】年間求人動向と特徴
- 【年代別】薬剤師に多い転職理由の傾向
- 【雇用形態別】転職検討から就職までにかかる期間は?
- 働きながら転職活動を進めるポイント
- 短期間で転職活動を進めた転職事例
- 長期間で転職活動を進めた転職事例
- 「自分に合った時期」を見極めることがポイント
【正社員】年間求人動向と各月の特徴

全国12拠点で薬剤師の転職支援を行うファルマスタッフの調査によると、正社員薬剤師の求人は年度始めから徐々に増加し、年末時期は一次的に減少するものの、年始から年度末にかけて再び増加する傾向が見られます。
ライバルが増えるのはいつ?
正社員の場合、ボーナス支給前後に転職活動が活発化しやすい傾向があります。特に6月のボーナス後は転職活動が活発になります。「10月入社」という現実的な区切りに向けて準備を始めやすいことや、薬局が比較的落ち着いている時期であることから、現職の調整がつきやすく、スムーズに転職活動を進めやすいため、12月のボーナス時期よりも多くの方が動き出すことが特徴です。
一方で、12月のボーナス直後は、6月ほどの活発さは見られません。これは、年末にかけて薬局が繁忙期を迎えることに加え、クリスマスやお正月といったプライベートのイベントも続くことから、「本格的な転職活動は年始からにしよう」と考える方が多くなることが理由として挙げられます。
その後、年始から年度末にかけては、再び転職活動が活発になります。新しい年という区切りでスタートを切る方や、年度初めの「4月入社」を目指して動き出す方が増えるため、転職活動が活発化しやすくなるのです。
また、店舗異動・人事異動が活発な4月については、必ずしも活発化する傾向ではないことが分かります。転職コンサルタントによると、異動の辞令をまずは受け入れてみるものの、実際に異動先で勤務してみてどうしても継続が難しいと感じる方が、5〜6月頃に転職活動をすることが多い傾向にあるようです。
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【派遣・パート】年間求人動向と特徴
派遣薬剤師の年間求人動向と特徴

派遣薬剤師の求人は、夏にかけて一度落ち込み、その後は秋以降にかけて一貫して増加しています。11月以降は増加ペースが加速し、年末から年度末に向けて求人が最も多くなる流れが見られます。
秋~冬はインフルエンザなどの感染症の流行、春は花粉症患者の増加により処方箋枚数が増え、業務量が一時的に増えるため、この時期の求人数が増える傾向にあります。
一方で、7月頃は派遣契約の満了により、派遣希望の求職者が増える反面、派遣求人は減少するため、競争が激しくなる時期とされています。この時期に契約満了のタイミングが重なる方は、早めに転職コンサルタントへ相談しておくと良いでしょう。
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パート薬剤師の年間求人動向と特徴

パート薬剤師の求人は冬に向けて増加し、年明けにかけて高水準となる傾向が見られます。特に12月〜1月にかけて求人が伸び、その後2月までは比較的高い水準を維持しますが、3月に入ると減少しています。一方で、春から秋にかけては緩やかな推移が続き、急激な増減は起こりにくいことが特徴です。
冬に向けた求人数増加の背景には、派遣同様に繁忙期による処方箋枚数の増加に加え、パートナーの転勤に伴い退職した方の欠員補充や、ボーナス支給後に退職した正社員の後任としてパートを募集するケースが出てくるためです。
また、パート薬剤師の場合は、生活スタイルに合わせた求職者側の動きがみられます。お子さまの入園・入学時期である4月や、9~10月の長期休み明けなど、生活リズムが変わる時期に転職活動が活発化し、求職者の数が増加する傾向があります。
一方で、長期連休のある5月や、夏休みの8月、年末年始休暇時期の12月は、家庭やプライベートを優先する方が多いため、求職者の数も減少傾向となります。
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【年代別】薬剤師に多い転職理由の傾向

薬剤師の転職理由はさまざまで、年代ごとに置かれている立場やライフステージの違いなどが反映される傾向があります。
若手では働き方やキャリアへの不安、30代以降では家庭との両立や将来を見据えた選択、さらに年齢を重ねるにつれて「長く働ける環境」を重視するなど、転職を考える背景は変化していきます。
20代薬剤師の転職理由
ライフスタイル
特に20代後半では、結婚や同棲などのライフイベントをきっかけに、働く場所や働き方を見直すケースが多い傾向にあります。
現職とのミスマッチ
年収などの条件面や、自身のキャパシティと業務とのアンマッチ、就職後のギャップなど、ミスマッチによる転職も20代に多い傾向です。
学べる環境・キャリアチェンジを求めて
薬局側がさまざまな環境で学んでほしいという目的で、複数店舗での掛け持ち勤務を若手薬剤師に依頼することが多いですが、一方で薬剤師側が腰を据えて学べないことに不満を感じるケースも少なくありません。また、キャリアチェンジを希望して、薬局や病院から企業への転職を希望する方もいます。
30代薬剤師の転職理由
家庭との両立
子育てをしながら働く方が多い年代であり、時短勤務で復帰した後「フルタイムに戻るのは現実的に難しい」と感じ、転職を検討するケースも少なくありません。
年収アップ・キャリアチェンジを求めて
キャリアアップを目指す方が多い年代であるため、より年収・ステップアップを目指して転職するケースも多く見られます。また、20代と同様にキャリアチェンジを目指す方の転職割合も高い年代でもあります。
40代薬剤師の転職理由
将来を見据えたキャリアアップ
この年代では、エリアマネージャーを担うなど現職でも管理職として働く方が多く、今よりもさらにキャリアアップをするために転職を考える方も少なくありません。
人間関係の悩み
40代は先輩・後輩や上司・部下の間で板挟みになることも多い年代のため、人間関係の悩みから転職を検討するケースも少なくありません。
働き方の変化
40代は子育てが落ち着き、パートから正社員へ働き方を変えるために転職を考える方も少なくありません。特に、現職では正社員へ戻ることが厳しい場合に、転職により正社員へ戻る選択肢を考えられる方が多い傾向があります。
50代以降の薬剤師の転職理由
50代以降の薬剤師の転職理由は、「この転職を最後にしたい」という意識が強く出やすい点が特徴です。今後も無理なく長く働ける環境かどうか、定年後も一定の収入が見込めるかといった点を重視し、安定性を求めて転職を検討するケースが多く見られます。
また、メーカー勤務の方が早期退職を機に、資格を活かしたセカンドキャリアとして薬局などの臨床現場への復帰を目指す動きもこの年代に多い傾向です。
なお、50代以降の転職では、過去の年収やポジションに強くこだわるよりも、「薬剤師として社会に役立ちたい」といったスタンスを持つ方ほど、転職がスムーズに進む場合があります。一方で、臨床現場との価値観のずれが大きい場合や、これまでのキャリアを前提に待遇面で主張をしすぎてしまうと、職場とのミスマッチが生じやすくなる点に注意が必要です。
薬剤師の転職に年齢は関係あるの?年齢別のポイントも解説
【雇用形態別】転職検討から就職までにかかる期間は?

薬剤師の転職は、選ぶ雇用形態によって検討段階から就業開始までにかかる期間が異なります。
正社員の場合は、求人選定や選考に加え、現職での引継ぎや有給消化の期間を考慮する必要があるため、転職活動全体が数か月単位になるのが一般的です。一方で、派遣やパートは、短期間で就業開始できるケースも少なくありません。
正社員の転職にかかる期間の目安
| 転職活動の流れ | 期間の目安 |
|---|---|
| 相談登録~転職コンサルタントとの面談 | 1~2週間前後 |
| 求人選定~書類選考 | 1週間前後 |
| 面接(1~2回) | 1か月前後 |
| 選考結果通達 | 1~2週間前後 |
| 内定~退職申し出 | 1~2週間前後 |
| 引継ぎ・有給休暇消化・最終出社日 | 1~3か月程度 |
転職活動の初期段階である登録・相談から内定獲得まではおよそ2~3か月ほどが一般的な目安です。現職を続けながら正社員として転職する場合、引き継ぎや有給休暇の消化を含めると、全体のリードタイムはおおよそ5~6か月程度を見込んでおくとよいでしょう。ただし、企業規模や状況に応じてかかる期間は異なります。そのほか、現職の退職交渉や最終出社日の調整はシフトや人員体制を考慮しながら行う必要があり、急な退職相談が難しいケースもあるため、計画的に進めるようにしましょう。
派遣・パートの転職にかかる期間の目安
派遣の場合
派遣薬剤師の転職は、求人の多くが「急な欠員補充」や「繁忙期対応」を目的としているため、条件が合えば数日単位で就業が決まることもあります。
ただし、派遣は「2か月〜3か月ごとの更新」という有期雇用契約であるケースが多いため、契約更新のタイミングには注意が必要です。
パートの場合
パート薬剤師の転職は、派遣と同様にスピード重視で進むケースが多いのが特徴です。2週間〜1か月程度が目安ですが、条件が合えば相談から数日程度で就業が決まることもあります。一方で、家庭の事情や希望する勤務時間・曜日によって調整が必要な場合は、決定までの期間が前後しやすい点に注意してください。
働きながら転職活動を進めるポイント

働きながら転職活動を進める場合、「時間が取れない」「調整がうまくいかない」といった悩みを感じる方は少なくありません。一方で、進め方のポイントを押さえておくことで、現職に支障を出さず転職を成功させることも可能です。
ここでは「働きながら転職活動を進めるポイント」として、忙しい薬剤師がつまずきやすい3つの状況を例に挙げて解説します。
- 予定調整をどのように進めればいいのかわからない
- 面談・面接の時間が確保できない
- シフト制のため、相談のタイミングがわからない
予定調整をどのように進めればいいのかわからない
忙しい薬剤師が最もつまずきやすいのが、「どのようにして転職活動の予定を組めばいいか分からない」という点です。この場合は、現職の勤務シフトをあらかじめ転職コンサルタントに共有することが有効です。
まずはシフトの休日に合わせてコンサルタントとの面談を実施し、応募する求人をじっくり選定しましょう。その後のシフトも確定次第コンサルタントへ共有すれば、面接日程の調整を代行してもらうことが可能です。面接後の条件確認や細かな調整も電話で進められるため、スケジューリングの負担を最小限に抑えられます。
面談・面接の時間が確保できない
現職を続けながら転職活動を行う場合、転職コンサルタントとの面談や、採用側との面接時間の確保が出来ないと感じる方も多いでしょう。
コンサルタントとの面談は、仕事終わりの19時以降や、平日休み・半日休みに実施するケースも多いです。また採用側との面接は、休日や希望休、場合によっては有給休暇を取得して対応することがほとんどとなります。この点については、現職の勤務体制を踏まえながら、無理のない日程をコンサルタントと相談しながら進めることが重要です。
シフト制のため、相談のタイミングがわからない
薬剤師はシフトありきの勤務となるため、「まだシフトが具体的に決まっていないから」と相談を後回しにしがちですが、転職活動をスムーズに進めるためには、できるだけ早い段階で、まずは相談を始めることが大切です。今後のシフトや退職時期を見据えたスケジュール設計がしやすくなります。結果として現職に支障を出さず、余裕のある転職活動を進めやすくなるでしょう。
短期間で転職活動を進めた転職事例
転職活動は「時間がかかるもの」というイメージを持たれがちですが、状況や進め方次第では、比較的短期間で転職が実現するケースもあります。ここでは、転職コンサルタントとの情報共有や調整を工夫することで、働きながらスムーズな転職活動を実現した事例を2つご紹介します。
情報共有と調整を重ね、短期間で転職を実現したケース

Tさん(20代・女性)は、ライフイベントやそれに伴う転居をきっかけに転職を決意されました。今回の転職活動では「年収アップ」と「将来のキャリアを見据えたスキル習得」の2点を軸に据え、希望条件に合う職場探しを開始しました。
当時は複数の紹介会社を利用されていましたが、担当コンサルタントへ他社の活動状況も含めてこまめに共有していたことで、面接などの日程調整もスムーズに進めることができ、コンサルタントとの密な連携が、効率的な選考プロセスを支える形となりました。
最終的に、年収は現職から130万円アップを実現し、今後のキャリアアップのために希望していた「在宅医療」に携われる薬局への転職を叶え、当初の予定から前倒しでの入社にも繋がりました。
定期的な情報交換により、登録から約2か月で内定したケース

Kさん(30代・女性)は当初、半年以上先での転職を考えていたため、面談や電話ではなくLINEでのやりとりを希望されていました。しかし、文面のやり取りだけでは本当の希望が分からないと感じたコンサルタントの勧めで面談を実施。そこから一気に応募・選考・面接の流れが進み、相談からわずか2か月後の内定に至りました。
スピード内定ではあるものの、希望されていた「当直なしの病院」への転職を叶え、悩んでいた人間関係の面も改善されました。希望時期に問わず、しっかりと転職コンサルタントと状況や要望を共有することにより、希望と近しい職場への転職に繋がりやすくなることを示す事例と言えます。
長期間で転職活動を進めた転職事例
転職活動を進める中で、条件の整理に時間がかかったり、方向性に迷いが生じてしまうなど、結果として活動期間が長くなるケースも少なくありません。ここでは、自身の価値観や働き方と向き合いながら転職を進めた結果、時間をかけて納得のいく選択にたどり着いた事例を3つご紹介します。
条件を急がず整理し、「納得できる転職」を優先したケース

Nさん(50代・男性)は、外来処方箋枚数の減少に伴い、勤務形態が半ば強制的に変更されたことを機に転職を決意されました。この変更により、家族との時間が削られ、有給休暇の取得も困難な状況となってしまったことが、環境を変える大きなきっかけとなりました。
転職活動を進めるにあたっては焦りがあったものの、転職コンサルタントからの「納得のいく就業先を見つけるまでは妥協して決めてはいけない」という言葉を受け、約7か月の転職活動の末、休暇申請がしやすく、家族との時間を確保できる職場への転職を実現しました。
迷いながらも面談を重ね、転職の軸を明確にした事例

Nさん(30代・女性)は当初、現職の状況や今後の見通しが不明瞭だったこともあり、ご自身でも「本当に転職すべきかどうか」が定まっていない状態からのスタートでした。
具体的な求人を見ながら、担当コンサルタントと計2回の面談を実施。対話を通じて自身のペースで情報を整理し転職活動を進めたことで、最終的に納得のいく転職先への就職を実現しました。
前職では、月の残業時間が48時間に達することもあり、心身ともに疲弊している状態でしたが、転職先では残業代を含めず前職を上回る年収アップを実現。労働環境・給与条件ともに大幅な改善を叶えることができました。
選択肢を広げたことで、結果的に条件改善につながったケース

Tさん(20代・女性)は当初、企業に絞って転職活動を進めていましたが、複数社での選考不合格が重なったことで一度は転職意欲が低下してしまいました。そこで、担当コンサルタントとの面談を通じ、現在の正直な心境と「しばらく現職で様子を見たい」という気持ちを共有。無理に活動を続けず、一度休止する決断をされました。
休止中もコンサルタントとは定期的に状況を共有していましたが、現職での残業の常態化や夜勤のある働き方への不満が次第に増大。改めて納得のいく環境を目指し、転職活動の再開を決意されました。再開後は、求人募集の背景や実際の就業環境についてコンサルタントと入念なすり合わせを実施。
その結果、年間休日120日以上で残業が少なく、他店舗からのヘルプ体制も充実した働きやすい薬局への転職を実現しました。
「自分に合った時期」を見極めることがポイント

薬剤師の転職活動においては、市場の動向といった「いつ動くか」という視点だけでなく、自分が何を重視し、どのようなペースで進めたいのかという「自分軸」を明確にすることが重要です。
求人が多い時期を狙うのは戦略の1つとして有効ですが、納得のいく職場に出会うまでの期間は人それぞれです。自分の優先順位を整理しておくことで、どのような時期でもブレのない選択が可能になります。
また、働きながら転職活動を進める場合は、現職とのバランスが鍵となります。業務に支障を出さないよう、「シフトを共有する」「転職コンサルタントに日程調整を任せる」といった工夫を取り入れ、心身に無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
ファルマラボ編集部
「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。
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