服薬指導に活かす医薬品情報

ベルスピティ錠2mg(一般名:エトラシモドL-アルギニン)

ここがポイント!

  • ・S1P受容体調整薬で、潰瘍性大腸炎の適応症を持つ。
  • ・1日1回1錠の服用、固定用量・用法なので継続的な治療管理に適していると考えられている。
  • ・投与初期に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延がみられるため、重篤な循環器疾患のある患者さまには禁忌である。生ワクチンも接種しないこと。

Q

何のお薬?処方目的は?

A

一般名はエトラシモドL-アルギニンで、適応は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」です。

リンパ球をリンパ組織から血中に送り出すS1Pの受容体サブタイプのうち、特にS1P1受容体に対するアゴニスト作用として、Gタンパク質の活性化とβ-アレスチン動員によるS1P1受容体の内在化の誘導作用を有します。

そうすることでS1P1受容体の機能的アンタゴニストとして、S1Pの濃度勾配に従うリンパ組織から血中へのリンパ球の移動を部分的かつ可逆的に抑制、血中のリンパ球数を減少させ、大腸の炎症部位に動員される活性化リンパ球数を減少させることで症状を改善します。


Q

用法・用量は?

A

成人にはエトラシモドとして2mgを1日1回経口投与、固定用量で、連日同量を服用する用法です。

食事によってTmaxは遅延するもののCmaxおよびAUCには臨床上、管理上問題となる意識的な変化は認められないとされています。

また、段階的な使用量調節が不要な固定用量であるため、患者さまの服薬順守向上につながります。


Q

警告は?使用上の注意点は?

  A

本剤により一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延がみられ、特に投与初期に生じる可能性が高いため、投与開始前に心電図検査を行い、心伝導系に異常がないか確認します。

その後も循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で投与を行います。

そのため、重篤な循環器疾患のある患者さまには禁忌です。

また、黄斑浮腫等の眼疾患があらわれることがあるので、十分に対応できる眼科医と連携がとれる場合にのみ使用しなければなりません。以上2点は添付文書の警告にも記載されているため特に注意する必要があります。

また、生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるため禁忌となっており、接種する場合、本剤投与開始4週間以上前に接種し、本剤の投与中及び投与終了後最低2週間は接種を避けます。


Q

主な副作用は?指導ポイントは?

A

主な副作用としては一過性の心拍数減少、房室伝導遅延による浮動性めまい・頭痛、黄斑浮腫、肝機能障害などが挙げられます。

服薬指導時には、まず一過性の心拍数減少、房室伝導遅延があらわれることがあるため、本剤投与後に失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導しましょう。

また、感染症のリスクが増大するおそれがあるため、リンパ球数は定期的に確認しつつ、患者さまには手洗い・うがいなどの基本的な感染症予防はしっかり行っていただくようお伝えします。

黄斑浮腫の出現にも注意する必要があるので、本剤投与中は眼科への受診勧奨に加えて、視覚の変化が認められた場合にもすぐ医師に相談するよう指導しましょう。

(2026年1月10日作成)


掲載日: 2026/05/19
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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