服薬指導に活かす医薬品情報

イリボーOD錠

Q

何のお薬?用法・用量は?

A

適応症は「下痢型過敏性腸症候群」です。食事指導及び生活指導を行っても下痢や腹痛などの症状が改善しない患者に対して使用します。通常、成人男性には1日1回5μg(最高10μg/日まで)を経口投与します。成人女性には1日1回2.5μg(最高5μg/日まで)を経口投与します。

Q

作用機序は?

A

遠心性神経のセロトニン5-HT3受容体に拮抗して遮断することで下痢を改善し、求心性神経のセロトニン5-HT3受容体に拮抗して遮断することで痛覚伝達を遮断し、腹痛を改善します。

Q

使用上の注意点は?

A

過敏性腸症候群は症状が一定しないことが多く、用量調節は投与後1か月程度の症状推移を確認した後に行う必要があります。なお、便秘や硬便などの副作用が認められたときは中止などの適切な処置が必要です。また、腹部手術歴がある患者ではイレウスなどの発現に注意します。

Q

注意すべき副作用は?

A

発現頻度が高い副作用は、便秘と硬便です(5%以上)。この副作用は女性の方が出現しやすい傾向にあります。そのため、女性の投与量は少なく設定されています。その他、1~5%未満の副作用として腹部膨満があり、発現頻度は0.1%未満ですが、重大な副作用には虚血性大腸炎があります。

Q

禁忌・併用注意は?

A

投与禁忌はラモセトロンの成分に対し過敏症の既往歴がある患者です。ラモセトロンの一次代謝には、CYP1A2及びCYP2D6が関与しているとされています。CYP1A2を阻害する薬剤フルボキサミンなど)と併用した場合、ラモセトロンのCmax及びAUCが上昇したという臨床試験結果があります。そのため、フルボキサミンとの併用により副作用が増強される可能性があることから、併用注意になっています。しかし、CYP2D6を阻害するパロキセチンとの併用ではCmax及びAUCに影響はありませんでした。 さらに抗コリン作用を有する薬剤(三環系抗うつ薬、フェノチアジン系薬剤、抗ヒスタミン薬など)や、止瀉薬(ロペラミドなど)との併用は、それらの薬効特性を鑑みるとラモセトロンの薬理作用を増強する可能性があるので、併用注意となっています。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2020/09/10
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります