コレチメント錠9mg(一般名:ブデソニド)
ここがポイント!
- ・「寛解導入」を目的に処方され、8週を目安に必要性を検討し、漫然と投与しない
- ・かまずに服用すること、便に錠剤が出てくることを事前に説明する
- ・使用期間中のフォローアップでは、症状の悪化、ざ瘡、感染症の発現がないかを確認する
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Q |
何のお薬?処方目的は? |
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A |
適応症は「活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)」です。 潰瘍性大腸炎の治療では、活動期には「寛解」を目指して「寛解導入療法」が行われます。そして、症状が落ち着いた寛解期には、その状態を保つために「寛解維持療法」が実施されます。 コレチメント錠は活動期に使用され、寛解導入を目的として処方される薬剤です。この薬剤は、経口投与により有効成分ブデソニドが大腸で持続的に放出されるように工夫された腸溶性徐放錠です。 これまでの経口ステロイド療法では、プレドニゾロンやデキサメタゾンが用いられてきました。これらの薬は高い効果を示しますが、全身に及ぶ副作用が問題となっていました。 一方、潰瘍性大腸炎に使われるブデソニド製剤としては、レクタブル注腸フォームがあります。ただし、この薬剤は主にS状結腸までしか届かないとされています。そのため、直腸やS状結腸の病変には効果がありますが、薬が届かない部分や大腸全体の炎症を抑える効果は十分ではないとされていました。 このコレチメント錠は、大腸の患部全域で抗炎症作用を発揮し、さらに体内に吸収された後は速やかに分解されるアンテドラッグ型ステロイド製剤です。 大腸全体に効果を届けるとともに、全身性副作用の低減も期待されます。また、1日1回の内服で済むため、患者さまの利便性が高く、服薬アドヒアランスの向上も期待できます。 (※ブデソニドは、気管支喘息治療吸入薬(商品名:パルミコート)、クローン病治療内服薬(商品名:ゼンダコート)もあります。) |
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Q |
用法・用量は?使用上の注意点は? |
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A |
通常、成人には1回1錠(9mg)、1日1回朝に服用するよう処方します。放出制御製剤のため、かまずに服用するよう指導し、調剤時においては、分割や粉砕は行いません。便中に錠剤がみられることがあるので事前に説明しておきましょう。 本剤はステロイド製剤のため、投与開始8週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与しないよう注意が必要です。食事の影響について検討した臨床試験では、臨床的な差や、統計学的な有意差は認められていません。そのため、服用のタイミングに食後や空腹時などの指定はありません。 さらに、制酸剤や酸分泌抑制剤との併用した場合でも、臨床的に大きな影響はない、とされています。 |
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Q |
主な副作用、併用禁忌、相互作用は? |
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A |
副作用は、潰瘍性大腸炎の悪化(2~5%)、ざ瘡(2%未満)が報告されています。その他、感染症の誘発、続発性副腎皮質機能不全、クッシング症候群、消化性潰瘍、糖尿病、白内障、などステロイドによる副作用が発現する可能性があります。 併用禁忌に「デスモプレシン(商品名:ミニリンメルト)を投与中の患者」があります。低Na血症(機序不明)が起こる可能性があるためです。 さらに、主にCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4阻害薬(イトラコナゾールやエリスロマイシンなど)と一緒に使うと、本剤の血中濃度が上昇する恐れがあります。グレープフルーツ、グレープフルーツジュースもCYP3A4を阻害するため、摂取を控えてください。 (2024年11月1日時点) |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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