服薬指導に活かす医薬品情報

メラトベル顆粒

Q

何のお薬?処方目的は?

A

小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」の効能・効果を有します。

Q

用法・用量・薬物動態は?

A

通常、小児には1日1回1mgを就寝前に投与し、症状により適宜増減するが、1日1回4mgを超えないこととされています。増量にあたっては患者ごとに睡眠状況を観察しながら行い、1週間以上の間隔を空ける必要があります。投与開始3か月後を目途に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、漫然と投与してはいけません。
主としてCYP1A2 により代謝されるため、CYP1A2を強力に阻害するフルボキサミンとの併用は禁忌とされており、その他CYP1A2阻害作用を持つ薬剤は併用注意とされています。CYP1A2が関与するため、喫煙やカフェインも薬物動態に影響しますが、適応が小児期(6歳~15歳)に限られる薬であるため、カフェインについて注意・確認が必要です。また、食事と同時、食直後の服用では血中濃度が低下する恐れがあります。
光によって類縁物質の増加、含量の低下が起こる為、ボトル包装品を分包した場合は、遮光して保存する必要がある点に注意が必要です。

Q

作用機序は?

A

本剤は生体内で分泌される内因性メラトニンと同一の構造式であり、視交叉上核のメラトニン受容体サブタイプ1及び2(MT1、MT2)を活性化します。MT1受容体の活性化は睡眠への導入に関与し、催眠作用を誘発すると考えられ、MT2受容体 の活性化は概日リズムの維持・調節に関与し、後退した睡眠相の位相シフトに作用すると考えられます。この2つの効果から、体内時計を覚醒から睡眠の相へ切り替える事が期待されます。
なお、小児の睡眠障害の治療では睡眠衛生指導が最も重要である、と医薬品リスク管理計画(RMP)に明記されています。

Q

注意すべき副作用は?

A

傾眠、頭痛、肝機能検査値上昇が主な副作用として報告されています。また、眠気、めまい等が表れることがあるので、適応が小児であっても患者又は保護者等に対し、機械操作などを行う際には十分に注意が必要です。本剤連用中における投与中止により、睡眠障害の悪化が起こりうるため、中止の際には慎重な観察が必要とされます。

Q

ラメルテオン(ロゼレム)との違いは?

A

薬効の面ではどちらもメラトニン受容体に作用することで概日リズムを調節し、睡眠を促しますが、メラトニン受容体に対する親和性が異なり、ラメルテオンの方が高い親和性を有します。
用法・用量の面では、本剤は小児期の神経発達症に伴う入眠障害のみが適応で、成人への投与は適応外です。一方でラメルテオンは成人にしか適応を有しません。そのため、症状に応じてこれら2 剤を使い分ける・併用するという場面は想定さ れず、年齢と不眠の原因に応じて適応のある薬剤が選択されます。

メラトニン含有製剤の他の選択肢は?
2021 年10 月の時点で、国内にメラトニンを含有する医薬品又は健康食品(いわゆるサプリメント)は販売されていません。外国では2007 年に欧州で承認された Neurim 社のCircadin®が使用されています(メラトニン2mg を含有する錠剤で、徐放性製剤)。海外ではサプリメントとしてメラトニンが販売されている国もあり、最近ではEC サイトなどを利用して個人輸入という手段でそれらのサプリメントを入手することが容易になりました。しかし、サプリメントは有効成分がその表示量よりも少ない量しか含まれていない事例や、全く異なる成分が含まれている事例もあり、信頼のおけるメラトニン含有製剤を探すことは難しいと言えます。

Q

服用サポートアプリについて

A

服用をサポートするアプリ「おやすみしよ~ね」がメーカーから提供されています(患者配布用資材からインストール可能)。服用する時間にお知らせする機能や、服用を続けるとアプリ内で「ごほうび」がもらえる機能がありますので、必要に応じて活用ください。

Q

嗜好品との配合変化について

A

インタビューフォームに検証結果が記載されています。お茶やカルピス、アップルジュースや牛乳などの飲料や、おくすりのめたね(チョコレート味)などと混合しても、本剤の残存率には殆ど影響はなく、薬効には支障ないようです。

掲載日: 2022/07/07
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