アリドネパッチ 27.5mg・55mg
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
一般名はドネペジルで、「アルツハイマー型認知症(以下、AD)における認知症症状の進行抑制」の適応を有する貼付剤です。ドネペジル内服剤(商品名:アリセプト)と異なり、レビー小体型認知症に対する適応はありません。リバスチグミン貼付剤(商品名:リバスタッチ・イクセロン)は軽度~中等度ADに使用されますが、ドネペジル貼付剤は軽度~高度ADまで使用することができます。高度ADに使用できる貼付剤は初となります。 |
Q |
用法・用量・注意点や副作用は? |
A |
通常、軽度~中等度ADには、1日1回27.5mgを貼付します。血中濃度の上昇が緩やかなため、内服のような漸増は不要です。高度ADでは、1日1回27.5mgで4週間以上経過後、55mgに増量します。なお、内服5mg錠が貼付剤27.5mgに、内服10mg錠が貼付剤55mgに相当するよう製剤設計されており、切り替えも可能です。内服から変更する場合は次の投与予定時刻に切り替え、状態を十分観察します。 貼付部位は、背部・上腕部・胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替えます。貼付部位は毎回変更します。これは皮膚角質層の剥離により吸収量が増加し、血中濃度が上昇する可能性があるためで、同一部位への貼付は7日以上あけること、とされています。光線過敏症を防止するため貼付部位への直射日光は3週間避けるように指導します。衣類などで隠れる場所に貼付するよう説明しましょう。貼付部位をあんか、カイロなどで温めないよう注意します。ドネペジルの吸収量が増加するおそれがあります。主な有害事象は、貼付部位のそう痒感(24.9%)、紅斑(24.3%)のほか、胃腸障害があります。貼付剤ではありますが、内服剤と同様に胃腸障害(下痢、食欲不振、嘔気・嘔吐等)が報告されており、特に増量の際にはこれらの症状に注意します。 |
Q |
服薬指導実践編~チャレンジしてみよう! |
脳神経内科を受診しているAさま(82歳 男性)が以下の処方箋をお持ちになりました。 【Rp1】アリドネパッチ 27.5mg 14枚 Aさまはこれまでアリセプト錠5mg/日を服用していましたが、食事の飲み込みにくさを医師に伝えたところ、パッチ剤への切り替えを勧められました。付き添いの奥様から「余っている錠剤はどうしたらよいか、一緒に飲んでも良いか」と相談がありました。あなたならどう答えますか? |
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A |
【回答例】
このパッチ1枚がアリセプト錠剤(5mg)1錠分に相当します。今日からこのパッチを使い、余っている錠剤は飲まないでください。錠剤は薬局で回収しますので次回お持ちになってくださいね。直射日光があたらないよう衣類で隠れる背中や胸に貼るのをお勧めします。貼る場所は毎回変えて、同じ場所に貼るときは7日以上あけるようにしてください。奥様が貼るのを手伝っていただくようであれば、貼った後に奥様の手をよく洗ってくださいね。皮膚の状態やお腹の調子が悪くなっていないか、また使ってみてお困りのことはないか、念のため電話で確認させていただいてもよろしいでしょうか。 |
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