徐脈の副作用に最も注意する必要がある薬はどれでしょうか?

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徐脈の副作用に最も注意する必要がある薬はどれでしょうか?

    ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼ阻害することで、脳内のアセチルコリン濃度上昇させます。

    一方で、末梢のアセチルコリン濃度も上昇させてしまうため、迷走神経が刺激されて徐脈を起こす恐れがあります。

    添付文書の重大な副作用欄には「QT延長心室頻拍心室細動洞不全症候群洞停止高度徐脈心ブロック失神」が記載されており、これらは、「認知症疾患診療ガイドライン2017」でも、コリンエステラーゼ阻害薬による循環器系の副作用として位置づけられています。

    特に、β遮断薬ジゴキシンベラパミルジルチアゼムなどの心拍数を低下させる薬を服用している患者さまで徐脈が起こった場合は注意が必要です。

    ドネペジルによる徐脈なのか、それとも併用薬の影響による徐脈か鑑別が困難になる恐れがあると言われています。

    QT延長リスクのある薬物を科学的根拠に基づいて分類した米国のデータベース「CredibleMeds」によると、ドネペジルは「Known Risk(既知リスク)」に分類されており、致死的不整脈であるトルサード・ド・ポアントTdP)が起これば、致命的な事態に至る可能性があります。

    特に、低カリウム血症などの電解質異常を合併しているご高齢の患者さまでは、QT延長のリスクが高まる傾向にあり、転倒して骨折し、寝たきりに至る連鎖が起こる可能性もあるため、注意が必要です。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    ドネペジルの副作用として、服用初期には消化器症状(嘔気、嘔吐、胸焼けなど)がみられます。

    また、循環器系の副作用として、めまいやふらつき、気を失いそうになるといった症状にも留意してください。

    服薬指導の際は、家族や介護者に対し「脈が遅い(50回/分未満)」「ふらつく」などの症状があれば医療機関へ連絡するよう、あらかじめ伝えておくとよいでしょう。

    ご高齢の認知症患者さまでは、徐脈によるふらつきが転倒や骨折につながり、さらに寝たきりや死亡リスクの上昇にもつながります。

    そのため、副作用が疑われる場合は、ドネペジル減量、または中止医師に提案することも、あらかじめ念頭に置いておくことが重要です。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2026/05/12
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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