ネイリンカプセルと併用するとレセプト査定される恐れがある薬はどれでしょうか?

Q

ネイリンカプセルと併用するとレセプト査定される恐れがある薬はどれでしょうか?

    ネイリン(ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物)などの爪白癬内服薬とルコナック(ルリコナゾール)などの爪白癬外用薬を併用したときの臨床試験成績はありません。

    有効性および安全性は確認されていないため、併用するとレセプト査定される恐れがあります。

    添付文書の作用機序には、どちらの薬も「真菌細胞の膜成分であるエルゴステロール生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す」旨が記載されています。

    作用機序が同様であるため、社会保険診療報酬支払基金から「原則として併用は認められない」という見解が発表されています。

    したがって、下記の「爪白癬内服薬」と「爪白癬外用薬」の併用は、原則として認められません。

    【爪白癬内服薬】

    • ネイリンカプセル
    • テルビナフィン錠
    • イトラコナゾールカプセル

    【爪白癬外用薬】

    • ルコナック爪外用液
    • クレナフィン爪外用液(エフィナコナゾール)

    ネイリンは12週間の服用により有効成分が爪の中に蓄積し、爪の伸長に伴い爪白癬を改善する薬です。

    添付文書によると、投与開始後48週時点での完全治癒率は59.4%。

    このため、約1年間は経過を見ても良いと考えられます。

    しかし、ネイリン内服終了後、改善があまり見られない場合があり、そのような場合は、内服終了3ヵ月後などを目安に爪白癬外用薬を開始することがあります。

    内服終了何ヶ月後から併用扱いとしてレセプト査定されるかは地域により見解が異なるため、注意が必要です。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    「爪白癬内服薬+爪白癬外用薬」の併用で処方された場合、疑義照会をする必要があります。

    ただし、爪白癬外用薬が、ラノコナゾール外用液などの足白癬外用薬との併用であれば、問題ないと考えられます。

    また、爪白癬治療としてルコナックを処方して、爪白癬以外の白癬治療としてテルビナフィン錠を処方するケースがあります。

    この場合は、査定される恐れは低いと考えられるでしょう。

    いずれも爪白癬治療として処方していないか、確認することをお勧めします。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2025/03/10
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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