水疱性類天疱瘡に適応外処方として使用されることがある薬はどれでしょうか?

Q

水疱性類天疱瘡に適応外処方として使用されることがある薬はどれでしょうか?

    水疱性類天疱瘡(以下、類天疱瘡)には、適応外処方としてテトラサイクリン系抗菌薬(アクロマイシン・ミノサイクリン・ビブラマイシンなど)とニコチン酸アミドの併用療法が行われることがあります。

    類天疱瘡診療ガイドラインによると、類天疱瘡にニコチン酸アミドを処方するときの推奨用量は500〜2000mg/日。

    2000mg/日を1日4回に分けて服用すると、1回服用量500mg(秤取量として0.5g)となります。

    ただし、添付文書に記載されている用量は25~200mg/日(適宜増減)なので、推奨用量は適宜増減の範囲とされる2倍量を超過しています。

    添付文書の用量を超過していると、レセプト査定される恐れがあるので、200〜400mg/日で処方されることもあります。

    副作用で類天疱瘡を起こす恐れがある薬として、DPP-4阻害薬があります。

    DPP-4阻害薬を服用中の患者さまが、かゆみを伴う浮腫性紅斑、水疱、びらんなどの皮膚症状を訴えている場合は、皮膚科への受診を案内しましょう。
    (※類天疱瘡だった場合、DPP-4阻害薬は原則として中止します。)

    他にも類天疱瘡を起こす恐れがある薬としてフロセミドが知られています。これらの薬については、添付文書を確認し、注意して使用することが重要です。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    テトラサイクリン系抗菌薬とニコチン酸アミドの併用があれば、類天疱瘡の治療のために処方された可能性があります。

    ニコチン酸アミドの用量が400mgを超過している場合、類天疱瘡における適応外処方なのかを判断するために、疑義照会を行いましょう。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2025/02/17
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

    あわせて読まれている記事

    \登録無料!簡単約1分/

    ファルマラボ会員特典

    1. 薬剤師の業務に役立つ資料や動画が見放題!
    2. 会員限定セミナーへの参加
    3. 資料・セミナー・コラムなど最新リリース情報をお知らせ