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日本癌治療学会 がん診療ガイドライン「制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版」では、抗がん剤治療(化学療法)にともなう悪心・嘔吐の予防において、デキサメタゾン(デカドロン)が推奨されています。 デカドロン錠の添付文書より、効能または効果欄に「抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与にともなう消化器症状(悪心・嘔吐)」と記載があります。 化学療法にともなう悪心・嘔吐は、抗がん剤投与開始後24時間以内に発現する急性期と24〜120時間(2〜5日目)程度持続する遅発期に分類されます。デキサメタゾンは、これら両方の効果を持つため、化学療法に伴う吐き気や嘔吐の予防において重要な制吐薬のひとつとされています。 中等度・高度催吐性リスクの急性期の治療として、5-HT3受容体拮抗薬などの他、デキサメタゾン注射剤が使われ、遅発期の治療としてデキサメタゾン錠4〜8mgで2〜3日間投与されるケースがあります。投与スケジュールは、病院のホームページで公開していることもあるので確認してみると良いでしょう。 中等度催吐性リスク抗がん薬に対する予防的制吐療法は、基本的に5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2剤併用療法が行われます。 一方、中等度催吐性リスク抗がん薬のうち、催吐性リスクが高いカルボプラチン(AUC≧4)においてはNK1受容体拮抗薬を加えた3剤併用療法が推奨されています。 高度催吐性リスク抗がん剤を使った化学療法では、オランザピンを含めた4剤併用療法が推奨されています。また、補助薬としてロラゼパムやH2受容体拮抗薬またはPPIが使われることがあります。 ▼参考資料はコチラ がんの緩和ケアにおいて食欲不振や倦怠感の改善を目的にデキサメタゾンが使用されることがあります。制吐目的としては短期間の投与ですが、倦怠感などの改善目的としては0.5~4mg/日程度の用量で継続されるケースもあります。 処方監査・服薬指導のPOINTデキサメタゾン錠にはさまざまな適応疾患があり、化学療法における制吐薬として処方されることがよくあります。 吐き気や嘔吐をできるだけ抑えるため、適切なタイミングと方法で確実に服用できるよう、患者さまへのご説明とご確認を丁寧にお願いいたします。 もし制吐薬を服用しても悪心や嘔吐の症状が続く場合には、より効果的な制吐薬の組み合わせや投与方法について主治医へ情報提供を行い、追加の対応を検討することが望ましいです。 |

Q |
抗がん剤治療による制吐薬としてガイドラインで推奨されているステロイド内服薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2025/10/30
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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