- 公開日：2022.03.10
【2021年最新】薬剤師の平均年収は？業種別や都道府県別平均も算出
働くうえで、ご自身の年収が周囲より高いか低いかは気になるところ。転職を含めた今後のキャリアを考える指標の一つにもなるでしょう。
そこで今回の記事では、最新データを参照しながら薬剤師の平均年収について解説します。業種別などでも比較しているので、ご自身の年収と照らし合わせながら確認してみましょう。年収アップを目指すための方法も、ぜひ参考にしてみてください。
- 薬剤師全体の平均年収と変化
- 【業種別】薬剤師の平均年収
- その他、薬剤師の年収比較
- 薬剤師が年収アップを目指すには？
薬剤師全体の平均年収と変化
薬剤師の平均年収は全体的に見ると、一時減少に転じている時期もありますが、少しずつ増加傾向にあります。以下に2010年から5年毎のデータをまとめました。
| 年 | 平均年収 |
|---|---|
| 2010年 | 518万1,900円 |
| 2015年 | 533万4,900円 |
| 2020年 | 565万1,300円 |
2010年から約10年で、薬剤師の平均年収は45万円以上も増えています。バラつきはありますが、右肩上がりで増加してきていることがわかるでしょう。
賃金構造基本統計調査
【業種別】薬剤師の平均年収
薬剤師といっても業種によって平均年収は大きく異なります。主な勤務先における平均年収（※）を以下にまとめましたので、参考にしてください。
| 業種 | 平均年収 |
|---|---|
| 調剤薬局 | 583万円 |
| 病院 | 521万円 |
| 企業 | 565万円 |
| ドラッグストア（OTCのみ） | 600万円 |
| ドラッグストア（調剤併設) | 605万円 |
| その他 | 514万円 |
(※)2022年1月時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、平均値を算出しています。
「その他」を除けば最も平均年収の低い業種は病院となり、最も高いドラッグストア（調剤併設）と比べて80万円以上の差があります。また大きな差ではありませんが、同じドラッグストアでもOTCのみか調剤併設かでも平均年収は異なるようです。
その他、薬剤師の年収比較
薬剤師の年収状況について、ここで3つの軸からそれぞれ数字を取り上げて解説します。
男女別
先にあげた全体での平均年収と同様に、男女別で2010年・2015年・2020年の平均年収を以下にまとめました。
男性
| 年 | 平均年収 |
|---|---|
| 2010年 | 595万円3,200円 |
| 2015年 | 587万4,200円 |
| 2020年 | 623万8,500円 |
女性
| 年 | 平均年収 |
|---|---|
| 2010年 | 475万400円 |
| 2015年 | 502万3,600円 |
| 2020年 | 527万2,400円 |
2010年と2020年を比較すると、男性が約28万円、女性が約52万円の増加です。男女で比較すると、男性の方が平均年収は高くなっています。
都道府県別
都道府県別で見ても、薬剤師の平均年収は大きく差があるようです。
| 都道府県 | 平均年収 |
|---|---|
| 北海道 | 554万1,200円 |
| 青森県 | 661万5,200円 |
| 岩手県 | 645万9,000円 | 宮城県 | 677万9,400円 | 秋田県 | 631万5,000円 | 山形県 | 579万4,000円 | 福島県 | 737万3,900円 | 茨城県 | 608万3,500円 | 栃木県 | 590万900円 | 群馬県 | 555万2,200円 | 埼玉県 | 563万9,700円 | 千葉県 | 548万6,700円 | 東京都 | 508万300円 | 神奈川県 | 593万2,700円 | 新潟県 | 538万2,500円 | 富山県 | 537万6,800円 | 石川県 | 590万5,500円 | 福井県 | 547万2,200円 | 山梨県 | 579万3,900円 | 長野県 | 676万8,200円 | 岐阜県 | 544万7,900円 | 静岡県 | 597万5,900円 | 愛知県 | 583万1,100円 | 三重県 | 561万4,400円 | 滋賀県 | 623万2,600円 | 京都府 | 545万2,800円 | 大阪府 | 520万3,800円 | 兵庫県 | 556万6,100円 | 奈良県 | 569万900円 | 和歌山県 | 544万4,500円 | 鳥取県 | 629万9,200円 | 島根県 | 650万4,000円 | 岡山県 | 505万4,100円 | 広島県 | 527万7,700円 | 山口県 | 779万9,900円 | 徳島県 | 630万3,200円 | 香川県 | 583万6,100円 | 愛媛県 | 544万5,400円 | 高知県 | 655万300円 | 福岡県 | 559万2,400円 | 佐賀県 | 535万4,700円 | 長崎県 | 544万3,800円 | 熊本県 | 521万200円 | 大分県 | 479万300円 | 宮崎県 | 520万8,300円 | 鹿児島県 | 519万4,500円 | 沖縄県 | 461万4,200円 |
2020年の全国平均は前述した565万1,300円で、奈良県までの22都道府県が平均以上となります。1位の山口県と最下位の沖縄県を比べると、300万円以上の差がありました。
都市圏より地方の方が平均年収が高い傾向
にあります。その理由には大手チェーンなどが進出していないエリアで中小企業が高年収で薬剤師を採用しているなどの事情があるようです。年齢別
続いて、2020年度の平均年収について年齢別でも確認してみましょう。
| 年 | 平均年収 |
|---|---|
| 25～29歳 | 456万7,300円 |
| 30～34歳 | 526万2,200円 |
| 35～39歳 | 588万5,300円 |
| 40～44歳 | 609万5,300円 |
| 45～49歳 | 657万8,400円 |
| 50～54歳 | 656万700円 |
| 55～59歳 | 640万7,800円 |
| 60～64歳 | 581万8,100円 |
| 65～69歳 | 696万1,000円 |
| 70歳以上 | 469万1,800円 |
薬剤師の年収は、49歳までは少しずつ上がっていくものの、50代で減少に転じています。そして60～69歳でまた増加し、最高年収に達するようです。なお、70歳以上では大きく減っていますが、これは定年後の再雇用などが大半になるためと考えられます。
企業規模
企業規模によっても平均が異なります。まずは2020年度の平均年収について、3つの区分から企業規模別の情報をまとめました。
| 従業員数 | 平均年収 |
|---|---|
| 10人～99人 | 610万100円 |
| 100人～999人 | 567万9,000円 |
| 1000人以上 | 540万4,600円 |
企業規模が小さいほど平均年収は高くなるようです。一方で、規模が大きい企業では、福利厚生が充実しているなどのメリットがあります。職場選びの際は、年収だけではなく、総合的に検討することが大切です。
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薬剤師が年収アップを目指すには？
業種や地域によっても、大きく薬剤師の平均年収が異なることがわかりました。年収アップを目指すのであれば、高水準となっている業種や地域での転職が一つの手段といえるでしょう。
また、現職においても昇進によって年収アップが期待できます。昇進すれば役職手当などが付くので、そのぶん年収が増えるでしょう。昇進制度が整っているのであれば、スキルを磨きながら現職で働き続けるのもよいでしょう。待遇については、事前に確認しておくことが大切です。
そのほか、認定薬剤師や専門薬剤師などの資格取得でも年収アップが目指せます。職場によっては、資格保有者に対して手当を付けている場合も。あるいは転職する際に、資格を強みとしてより好条件な職場を探せるかもしれません。もちろん資格取得の際には時間と労力を要しますが、今後のキャリアに必要なものは、ぜひ前向きに検討してみましょう。
自分に合った方法で年収アップを目指しましょう
今回の記事では、薬剤師の平均年収について解説しました。ここ10年間を通してみると、薬剤師の平均年収は増加傾向にあります。それだけ、薬剤師のニーズが高まっているともいえるでしょう。しかし業種や地域、性別、年齢などに分けてみると大きな差があるようです。
これから年収アップを目指すなら、異なる業種や地域への転職を考えてみるのもよいでしょう。その際、様々な地域あるいは業種について詳しく、多くの求人情報を保有している転職コンサルタントに相談してみると、スムーズに転職先を探せるはずです。 あるいは、認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得が、年収アップにつながることもあるでしょう。資格は転職時にも有利に働きますので、目指すキャリアに合ったものがあれば、ぜひ取得を検討してみてください。
