- 公開日:2026.08.27
ドラッグストア薬剤師はきつい?仕事内容や年収、他業種との違いも解説

「ドラッグストア勤務の薬剤師」について、どのようなイメージを持っていますか?
「年収が他業種と比べて高い」というポジティブな印象がある一方で、以下のようなネガティブな印象を持っている方も少なくありません。
- 営業時間が長いため、薬剤師の勤務時間も長い
- 残業が多い
- 品出しやレジ打ちなど、薬剤師業務以外の割合が高い
しかし、近年は働き方や業務内容も変わりつつあります。
本記事では、ドラッグストアにおける薬剤師の業務内容や働き方の実態を解説します。
さらに、ドラッグストア主要各社の特徴や「向いている人」について、数値データとコンサルタントの見解を踏まえてまとめています。
ぜひ理想の職場選びの参考にしてみてください。
- ドラッグストア業界の動向
- ドラッグストア薬剤師の年収
- ドラッグストア薬剤師の働き方と業務内容
- ドラッグストアに向いているのはどんな人?
- 主要ドラッグストアの特徴
- ドラッグストア薬剤師への転職で失敗しないために
ドラッグストア業界の動向
国内のドラッグストア市場は、商品販売額が右肩上がりで、店舗数も増加傾向にあります。業界としての成長が続いています。
経済産業省が2026年4月30日に発表した「商業動態統計速報」によると、2026年3月のドラッグストアの販売額は8325億円(前年同月比5.8%増)で、店舗数は2万479店(前年同月比2.5%増)でした。
特に「調剤医薬品」の伸び率は前年同月比12.1%増と高い水準です。背景には、処方箋の持ち込み先が、医療機関の門前薬局から、患者さまにとってより身近なドラッグストアへとシフトしている流れが考えられます。
また、各ドラッグストア企業が店舗の「調剤併設率」を高める取り組みを行っていることも要因です。処方箋を受け付けられる店舗が増加したことで、調剤医薬品の販売額の伸長につながっていると考えられます。
加えて、業界内では「小規模店舗の後継者不足」や「大手企業の市場シェア拡大」などを理由とした戦略的なM&Aも活発化しており、調剤併設化による市場の活性化がさらに進む見込みです。
コンサルタント M・Yより
業界動向はコンビニをイメージしていただくと分かりやすく、今後も新規出店や、M&Aによる大手上位企業の統廃合が行われていくと思います。
また、各社は「調剤事業」での売上拡大を目的に、調剤併設率を高める方向へシフトしています。多くの企業では調剤併設率が30〜50%程度と低く、今後は引き上げることを目標としています。ただし、新規出店のペースが速いため、当面は調剤併設率が上がりにくい状況が続く見込みです。
この背景もあり、ドラッグストア各社が積極的に薬剤師募集を行っているという状況もあります。
コンサルタント Y・Fより
日用品販売などで売上を確保できているうえに、調剤事業の売上も伸ばせると、店舗単位の売上が高まります。その結果、企業としても経営がより安定します。こうした店舗単位での伸びしろがあることは、ドラッグストアならではだと考えています。
また、2026年の調剤報酬改定では集中率の項目が見直され、門前薬局などでは減算の影響も出ていると思います。一方、ドラッグストアは幅広く処方箋を受け付けられるため、調剤報酬改定の影響を受けにくい傾向があります。こうした点も、先ほどの売上の話と合わせて「安定」の要素になるのかなと思います。
商業動態統計速報|経済産業省
ドラッグストア薬剤師の年収

ドラッグストア薬剤師の平均年収は、他業種と比べて高い傾向があります。中でも調剤併設型は、OTCのみのドラッグストアより高い傾向です。
| 業種 | 正社員の平均年収 |
|---|---|
| ドラッグストア(調剤併設型) | 628万円 |
| ドラッグストア(OTC販売のみ) | 616万円 |
| 調剤薬局 | 549万円 |
| 病院/クリニック | 531万円 |
※2026年2月時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、上限年収の平均値を算出しています。
ドラッグストアの年収水準が高い背景には、特有の経営構造と制度上の優位性があります。理由は主に以下の3点です。
- 経営安定性の高さ:日用品や食品など調剤事業以外の収益源があり、比較的経営が安定しているため、給与として還元しやすい
- 人材確保のため:変則的な勤務条件(土日祝勤務・長めの営業時間)になりやすく人材確保がしにくいため、基本給が高めに設定されている
- 高い調剤基本料を算定しやすい:幅広い医療機関から処方箋を受けるケースが多く、集中率が高くなりにくいため、点数の高い調剤基本料を算定しやすい
こうした業界特有の背景がある一方で、実際の給与水準は地域や企業によっても異なります。地域別の給与相場や企業別の年収例については、以下コラムで詳しく解説しています。
【2026年版】ドラッグストア薬剤師の年収・時給相場!企業別の年収例も紹介!
ドラッグストア薬剤師の働き方と業務内容

ドラッグストアで働くにあたり、「レジ打ちや品出しなどの店舗業務が中心で、薬剤師としてのスキルを磨けないのではないか」と懸念する方は少なくありません。しかし近年、ドラッグストアを取り巻く就業環境や業務内容は変化しています。
ドラッグストア薬剤師の業務内容
薬剤師としての業務に集中できる環境
調剤併設の有無に関わらず、最近ではレジ打ちや品出しといった店舗業務を担う割合は減少傾向にあります。以前は有資格者以外でも行える業務を薬剤師が担うこともあり、それが不満や退職理由につながるケースもありました。
こうした背景を受け、近年は各企業による就業環境の改善が進んでいます。ドラッグストアには登録販売者や一般店舗スタッフなど、様々な職種の方が働いていることもあり、「薬剤師へ求める役割」の見直しや企業努力が進み、薬剤師としての職務に集中できる環境整備が行われています。
「予防・未病」の段階から関わる
調剤併設店においては調剤薬局と同様の調剤・監査・服薬指導を軸としながらも、病気になる前の段階から介入する「予防医療・未病ケアへのアプローチ」を経験できる点が特徴です。
多様な目的を持った方が日常的に来店するため、「受診するほどではないが少し体調が優れない」「どの市販薬を選べばいいか迷っている」といった初期段階でのOTCカウンセリングや健康相談会を行う機会もあり、「予防」や「未病」のタイミングから地域住民の健康を支える場面が多々あります。
そのため、医療用医薬品・OTC医薬品を含め幅広い薬学知識やセルフメディケーション領域を学びたい方にとって魅力的な環境と言えるでしょう。
ドラッグストア薬剤師の働き方
勤務時間
基本的には夜勤はなく、「1日8時間×週40時間」のシフト制を採用しているケースが大半です。ただし、企業によっては「月単位の変形労働時間制」を導入している場合もあるため、月ごとの労働時間の波やシフトの組み方は事前に確認しておく必要があります。
実際のシフト例としては、以下のように店舗の営業時間に合わせて段階的に組まれるのが一般的です。
- 9〜18時(早番)
- 10〜19時/11〜20時(中番)
- 12〜21時(遅番)
調剤併設店の場合は、ドラッグストアの営業時間と併設薬局の開局時間が異なるケースが多いため、ドラッグストアの営業時間ほど遅くならないケースも少なくありません。残業に関しても基本はシフト制で回しているため多くなることはあまりなく、最近は「月平均10時間以下」の企業も増えています。
休日取得・体制
ドラッグストアは店舗数が多く、エリア内での「応援体制」が整っている企業が多いため、比較的休日を取得しやすい環境にあります。急な体調不良やライフイベントの際にも、組織全体でカバーし合える安心感があると言えるでしょう。
ただし、他店舗のスタッフが休む際には、今度は自身が他店舗へ応援に入るケースも考えられます。「休みの取りやすさ」は、従業員同士の協力のもとに成り立っている点に理解が必要です。
ドラッグストアに向いているのはどんな人?

ここでは、転職コンサルタントの見解をもとに、ドラッグストア勤務がどのような方に向いているのか、以下の4つのポイントに絞って詳しく見ていきます。
- 働き方に柔軟性を持てる
- 新しいことを広く覚えることが好き
- 積極的に提案ができる
- 高い給与水準で働きたい
働き方に柔軟性を持てる
ドラッグストアは基本的に土日営業・シフト制となるため、「配属店舗の営業時間に合わせた働き方が可能な方」に向いています。
大手企業の場合、自身の希望で配属店舗を選ぶことが難しく、会社の方針やエリアの状況に応じて配属が決定します。「調剤薬局と同様に19時頃には閉まる店舗」もあれば、「夜遅くまで営業している店舗」もあるため、配属先の営業時間に合わせて動ける方に向いています。
一方で、働き方にこだわりがある方や、固定の休日・勤務時間を希望する方の場合はアンマッチになりやすいと言えます。
新しいことを広く覚えることが好き
門前や近隣の医療機関の処方箋をメインに扱う調剤薬局とは異なり、ドラッグストアは広範な医療機関から処方箋を受け付ける「面対応」が基本です。そのため、応需科目や対応する医療機関数、扱う医薬品の品目数が多くなります。さらにOTC医薬品の知識も必要となるため、「新しい知識を吸収していきたい」という知的好奇心が旺盛な方には向いている環境と言えるでしょう。
一方で、「1つの分野を深く突き詰めたい」という専門志向の方には向いていないかもしれません。知識の「広さ」を求めるならドラッグストア、「深さ」を求めるなら他の業種を選択することをおすすめします。
積極的に提案ができる
レジ打ちや品出しなどの小売り的な作業は減っているものの、ドラッグストアである以上、対人の小売の側面は健在です。例えば、売り場でOTC医薬品の選定に悩んでいる患者さまに声掛けをするといった積極性が必要となります。自らの提案や行動が売上につながることに、やりがいを感じられる方には向いている環境でしょう。
一方で、人と関わる小売的な側面に苦手意識がある方には、少し居心地が悪く感じられる可能性があります。
高い給与水準で働きたい
ドラッグストアは調剤事業だけでなく、日用品販売など複数の経営柱により売上を創出しているため、処方箋枚数や調剤報酬改定に影響されにくく、高い給与水準を維持しやすいという特徴があります。
さらに、以下のような背景も高い給与水準を得やすい要因となっています。
- 新規出店ペースが速い:店舗の立ち上げや1人薬剤師の経験を積むチャンスが豊富。管理薬剤師などの上位ポストも空きやすく、物理的に給与の高いポジションにキャリアアップしやすい
- 賃金ベースアップを毎年実施:労働組合の存在や、総合職などの薬剤師以外の他職種も多く在籍していることから、全体的に給与水準を毎年上げていく必要があるため、毎年の昇給幅が一定水準以上になりやすい
一方で、1人薬剤師として店舗を任されるケースもあることから、「1人で業務を進めるのは不安」という方には厳しい環境かもしれません。
主要ドラッグストアの特徴
ここでは、主要ドラッグストアの売上規模や店舗数、転職コンサルタントによる各企業の特徴についても解説します。
ウエルシアホールディングス
イオングループのウエルシアホールディングスは、「人」を資本とする企業です。創業当初から、従業員一人ひとりが自由に発想し、主体的に取り組む自律型の職場環境と組織風土を尊重しています。
全国に展開する3,001店舗のうち、7割以上にあたる2,282店舗が調剤併設店舗であり、この調剤併設の店舗数はドラッグストア業界内で日本一となっています。
マツキヨココカラ&カンパニー
株式会社マツキヨココカラ&カンパニーは、「地域のお客様の美容と健康の増進、生活の充実に最大の価値を置く」という共通の理念や経営戦略のもと、店舗展開地域の補完関係にあるマツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合し、2021年10月1日に誕生しました。
売上規模は、2024年に1兆225億円、2025年には1兆616億円の売上高を記録しており、調剤売上高は1,625億円と業界トップクラスの規模を誇ります。店舗数も業界トップの3,499店舗を全国に展開しており、そのうち1,002店が調剤併設店舗です。健康サポート薬局も多数運営しています。
スギホールディングス
スギホールディングスは「一人ひとりに向き合う」ことを掲げている企業です。2025年5月決算における売上高は8,780億円となり、2024年4月決算の7,444億円から前期比17.9%の増収を記録しました。展開する2,321店舗には、6,605人の薬剤師が在籍しています。また、アプリやポイント制の導入といったデジタルを用いた顧客体験の向上に注力しており、アプリのダウンロード数は1,760万に達しています。
ツルハホールディングス
ツルハホールディングスは「お客様の生活に豊かさと余裕を提供する」理念のもと、地域に根ざした店づくりを展開している企業です。
2025年2月期決算における売上高は8,456億円となりました。店舗数は5,678店を展開し、そのうち3,323店が調剤薬局併設店です。また、海外にも店舗を出店しているほか、女性の育休取得率は100%、男性は78.9%を記録するなど、社員の働きやすさにも注力しています。
ツルハホールディングスの企業紹介・求人紹介申し込みページを見る
【2026年最新】大手ドラッグストアの売上高と店舗数ランキングを解説
ドラッグストア薬剤師への転職で失敗しないために

ドラッグストア業界は市場が右肩上がりに成長しており、給与水準が高く、以前のような有資格者以外の業務対応も減少傾向にあります。
ただし、土日祝日の勤務や遅番を含むシフト制、小売的な側面があるなど、ドラッグストア特有の勤務形態や業務の特性があります。また、企業によっても、自由度の高い社風、ライフステージに応じたコース選択、独自の福利厚生など、その強みや特徴は異なります。
ドラッグストア薬剤師への転職を検討している場合は、こうした働き方の特徴が自分自身に合っているのかを見極めることが重要です。企業ごとの違いを比較したうえで、自分の理想のキャリアを実現できる環境を見つけていきましょう。
ファルマラボ編集部
「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。
あわせて読まれている記事
\登録無料!簡単約1分/
ファルマラボ会員特典
- 薬剤師の業務に役立つ資料や動画が見放題!
- 会員限定セミナーへの参加
- 資料・セミナー・コラムなど最新リリース情報をお知らせ
