転職ノウハウ
  • 公開日:2026.02.26

【30代薬剤師の年収】男女・業種・地域で違いが出るのはなぜ?年収アップのポイントも紹介

【30代薬剤師の年収】男女・業種・地域で違いが出るのはなぜ?年収アップのポイントも紹介

30代は、薬剤師としての経験が蓄積される一方で、働き方やキャリアの方向性に個人差が生まれやすい年代です。

勤務薬剤師として現場に立ち続ける人もいれば、管理薬剤師やリーダー職としてマネジメントを担い始める人もおり、年収の差が徐々に広がっていく時期とも言えます。また、結婚や出産、育児といったライフイベントを背景に、働き方を見直す方が増えるのも30代の特徴です。

本記事では、厚生労働省の統計データや求人情報をもとに、30代薬剤師の平均年収を年代別・男女別・地域別に整理し、その背景を解説します。さらに、業種別の年収傾向や、30代薬剤師が年収アップを目指すためのコツ、採用場面で重視されるポイントについて、コンサルタントの見解を交えながら紹介します。

【年代・男女別】30代薬剤師の平均年収比較

男性がステップアップの階段を上ろうとしている図

ここでは、30代薬剤師の平均年収について、年代別・男女別の視点からデータをもとに整理し、年収差が生まれる背景についてもあわせて解説します。

【年代別】30代薬剤師の平均年収比較

年代別の30代薬剤師の平均年収は以下のとおりです。

年齢 平均年収
30~34歳 564万円
35~39歳 614万円

※平均年収は、「賃金構造基本統計調査/ 令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

30代薬剤師の平均年収は、30〜34歳で約564万円、35〜39歳で約614万円と、年代が上がるにつれて上昇する傾向があります。

多くの場合、30代での転職直後は勤務薬剤師からのスタートとなりますが、管理薬剤師やリーダー職への昇格スピードは20代より早まるケースも少なくありません。現場を一通り経験し、業務全体を俯瞰できる視点が身についてくる年代であるため、マネジメントや後輩の教育・育成に関わる場面も増えてくるでしょう。

【男女別】30代薬剤師の平均年収比較

年齢区分 男性 女性
30〜34歳 約607万円 約540万円
35〜39歳 約672万円 約543万円

※平均年収は、「賃金構造基本統計調査/ 令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

30代薬剤師の平均年収をみると、男性のほうが平均年収が高い傾向がみられ、データ上では男女間で60~130万円程度の差がみられます。

この差が生じる要因としては、「性別」そのものではなく、主に「働き方の選択」と「役職を目指す割合」の2点が挙げられます。

女性は出産・育児などのライフイベントに伴い、時短勤務や雇用形態の変更(正社員からパート勤務への変更など)を選択するケースも多いです。一方で男性は、管理職やエリアマネージャーといった役職を積極的に目指す方も多い傾向にあることから、年収差が表れやすいと考えられます。

実際に、薬剤師転職の支援を行うファルマスタッフのご紹介事例においては、「30代・正社員・フルタイム」という条件が近い場合、男女間で大きな年収差が見られないケースが多いです

【地域・業種別】平均年収の違い

お金が積みあがった段が違う状態の比較図

30代薬剤師の年収は経験年数だけでなく、「地域」や「業種」の選択によっても差が出やすいのが特徴です。地域ごとの薬剤師数や、業種ごとに求められる役割が異なるため、それぞれの状況に応じて給与水準も変動しやすい傾向にあります。

この章では、薬剤師の地域別、業種別の平均年収を整理したうえで、年収の差が生じる背景を解説します。

【地域別】薬剤師の平均年収

薬剤師の都道府県別の平均年収ランキングとして、上位は以下の通りです。

【薬剤師の平均年収トップ10】

順位 都道府県 平均年収(万円)
1 岐阜県 633
2 静岡県 631
3 三重県 626
4 高知県 625
5 鳥取県 622
5 山梨県 622
7 島根県 615
7 佐賀県 615
7 北海道 615
10 山形県 613

※2025年7月31日時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、上限年収の平均値を算出しています。

薬剤師の平均年収は、地域によっても差がみられます。求人データをみると、岐阜県や静岡県、三重県などが高水準となっており、地方エリアが上位を占める傾向があります。

この背景には、薬剤師の需給バランスの違いがあります。都市部は薬剤師の供給が比較的安定しているため、給与条件での競争が起きにくい一方、地方では人材確保の必要性から、年収上限を高めに設定するケースが多くみられます。

【業種別】薬剤師の平均年収

順位 業種 平均年収(万円)
1 ドラッグストア 622
2 企業 605
3 調剤薬局 593
4 病院・クリニック 532

※2025年12月時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、上限年収の平均値を算出しています。

ドラッグストア

ドラッグストアは、比較的年収水準が高い業種です。背景としては、保険調剤に加えてOTC医薬品や介護用品、化粧品、食品などの販売といった「小売業」としての側面もあるため、診療報酬に依存せずに営業利益が安定していることが理由に挙げられます。また、土日祝日や夜間営業などに対応する場合があることも、年収が高くなりやすい要因となっています。

企業

企業での年収は比較的高い傾向にありますが、勤務先や職種によって大きく異なるため、一般的な相場を示すのは難しいのが実情です。気になる方は、ぜひコンサルタントに相談して具体的な情報を確認してみてください。

調剤薬局

調剤薬局で働く薬剤師の年収は、他業種と比較して中位に位置しています。調剤を中心とした業務が主となり、病院の診療時間にあわせた営業時間になることが一般的なため、勤務時間が比較的安定しやすく残業が少ない職場も多い傾向があります。仕事と私生活のバランスを重視したい30代にとって魅力的な業種のひとつと言えるでしょう。

病院

病院薬剤師の年収は、他の業種と比較すると控えめな水準となる傾向があります。これは、医療法人の場合は非営利性があるため、給与水準の急激な上昇を見込みづらいことが要因のひとつです。また、管理職手当の対象となるようなポジションが少なく、管理職になりづらいことも要因に挙げられます。

年収水準こそ高くないものの、多種多様な症例を通じた「臨床能力の向上」や、医師や看護師と関わる「チーム医療」の経験が得られるのは病院薬剤師の魅力のひとつです。医師と対等に議論を交わし、治療方針に深く関与してきた経験は、在宅医療の場面における多職種との連携など、今後のキャリアアップにもつながります。長期的な視点で自身の市場価値を高めたい方にとっては、有力な選択肢と言えるでしょう。

【ポイント4選】30代薬剤師が年収アップするためには?

女性薬剤師が悩んでいる写真

30代の薬剤師は、単に経験年数を重ねる段階から、「どのような経験を積み、どの分野で価値を発揮できるか」が問われやすくなる時期と言えます。年収アップを目指す場合は、自身の強みやキャリアの方向性を整理し、戦略的に選択を重ねていくことが重要です。

ここでは、30代薬剤師が年収アップを目指す場合のポイントを4つご紹介します。

専門資格の取得

がん専門薬剤師や感染症認定薬剤師などの専門資格は、特定分野における知識と実務能力を証明するものとなります。これらの資格を取得することで、資格手当がつく職場も少なくありません。また、専門性を持つ人材として患者さまの継続的な薬学管理を担当する機会が増えることで、結果として評価やさらなる年収アップにつながる可能性も高まるでしょう。

管理職・役職へのキャリアアップ

管理薬剤師や店舗責任者などの役職に就くことで、基本給に加えて役職手当が付与される場合が多く、年収アップにつながります。一般的に、30代は現場業務を理解しながら、後輩育成や業務改善、マネジメント業務もできる年代として期待されることも増えてくる時期です。

責任が増える分、負担を感じる場面もありますが、自身のスキルアップにつながる機会も多いことから、市場価値を高める機会として前向きに挑戦することで将来的な市場価値アップにもつながる経験が得られるでしょう。

地方部・中小薬局への転職による給与交渉

都市部や大手企業は、需給バランスの関係から給与水準が抑制されていたり、企業独自に年収レンジが定められていたりするケースも少なくありません。

一方で、地方部や中小規模の薬局では、薬剤師の採用難易度を背景に、高めの給与水準を設定しているケースも多くみられます。年収アップを重視する場合は、希望エリアを広げる、中小規模の職場も選択肢に含めるなど、条件の優先順位を見直すことも有効です。

スキル・経験を可視化し、転職市場で価値を高める

薬剤師転職の支援実績が豊富なファルマスタッフのコンサルタントによると、年収交渉の場面で重視されやすいのは、「これまでに何を経験し、どのような役割を担ってきたか」を具体的に説明できるかどうかという点です。

日々、患者さまに真摯に向き合ってきた方ほど、自身の経験を当たり前のものとして捉え、強みとして整理できていないケースも見受けられます。

在宅医療での営業活動や患者さまへの個別指導など、実際の行動に基づく経験は、資格以上に評価されることもあります。自分に「何ができるのか」「どの分野で価値を発揮できるのか」を言語化し、転職市場で伝えられる形に整えておくことが、30代での年収アップを考えるうえで重要なポイントとなります。

30代薬剤師は転職しやすい?コンサルタントが解説

コンサルタント2名がコメントするオリジナル図版

30代薬剤師が転職する場合、20代とは評価されるポイントが変わり、これまでの経験や役割、今後の働き方に対する考え方がより重視される傾向があります。

ここでは、多くの薬剤師を支援してきた転職コンサルタントの視点から、30代薬剤師の転職難易度や求められやすいスキル、20代との違いについて具体的に解説していきます。

転職市場では選択肢が広がりやすい年代

30代薬剤師は、転職市場においてニーズが高く、書類選考の通過率という観点では他年代と比べて転職難易度は比較的低い年代です。一定の実務経験があり、即戦力として期待されやすいことに加え、長期的に職場に定着してくれる可能性がある点も評価されやすい背景と言えます。

一方で、書類選考を通過し面接に進んだ後は、評価が分かれやすいのも30代の特徴です。結婚や出産、育児などのライフイベントが重なりやすい年代でもあるため、将来的に働き方が大きく変わる可能性については、採用側から確認されることも少なくありません。

そのため、短期的な条件だけでなく、「どのような働き方を想定しているのか」「長期的にどのようなキャリアを描いているのか」といった点を、自分なりに整理しておくことが重要になります。ライフイベントに対する考え方や、仕事との向き合い方を言語化できているかどうかが、面接評価に影響するケースも少なくありません。

求められるスキルやポジション・経験について

30代薬剤師に求められるスキルや経験は、基本的には20代と大きく変わらないものの、期待される役割には違いが出やすい年代です。特に入社してから管理薬剤師にステップアップするまでの期間が、20代と比べ短い傾向にあります。

また、30代は業務への理解が深まり、仕事に「慣れ」と「余裕」が出てくる一方で、個人差が表れやすい年代でもあります。同じ業務を行っていても、年収や評価に差が出ていることを実感しやすく、周囲の情報から刺激を受けて行動を変える人と、現状維持を選ぶ人に分かれやすい時期とも言えます。

上のポジションや将来像が見えたときに、そこを目指すのか、今の働き方を重視するのかという選択が、その後のキャリアや年収に影響しやすいのが30代の特徴です。能力そのもの以上に、仕事への向き合い方や意識の持ち方が結果に反映されやすい年代と言えるでしょう。

20代と比べどういう点が重視されるか

30代薬剤師は、20代と比べて「将来性」や「柔軟性」よりも、これまでの具体的な経験内容が重視されやすくなります。例えば在宅医療であれば、関与した年数や担当件数、どのような役割を担っていたのかといった点を、自分の言葉で説明できるかどうかが評価につながりやすくなります。管理薬剤師の経験や、後輩の教育・育成に関わった経験も、判断材料としてみられることが多い傾向です。

また業種によって求められるスキルも異なります。例えば調剤薬局では、在宅医療への対応力や多職種とのコミュニケーション経験が重視されやすく、運転免許の有無や運転に慣れているかも確認されるケースがあります。

さらに別の例としてドラッグストアをみると、調剤スキルに加え、清潔感や接客姿勢など対人面の評価がより重視される傾向があります。

30代薬剤師の年収アップ転職事例

同じ30代でも、勤務先の業種や評価制度、勤務地の選び方などによって年収には大きな差が生まれることがあります。ここでは、30代で年収アップに成功した薬剤師の転職事例をご紹介します。

全国転勤型から地域密着薬局へ|評価制度を見直して年収120万円アップ(Tさん/30歳・男性)

30代薬剤師の転職事例のビフォーアフター比較図版1つ目

Tさんは大手調剤薬局で管理薬剤師として勤務し、現場を支える役割を担ってきました。しかし、全国転勤に伴う頻繁な異動で心身の負担が大きかったことに加え、薬局における評価基準が曖昧で、自身の成果が正当に給与や評価に反映されない点に課題を感じていました。

また、固定残業代40時間分が給与に含まれており、実際の業務負荷を考えると、業務量と給与のバランスに疑問を持つようになったことも転職を考えるきっかけとなりました。

転職活動では、「役職」よりも頑張りを正当に評価してくれる環境と、プライベートの時間を確保できる働き方を重視しました。その結果、配属先は希望エリアからやや離れ、役職も管理薬剤師から勤務薬剤師へ変更になりましたが、勤務条件が改善されたことでプライベート時間の確保に成功し、年収も転職前よりアップしました。

今回のケースを踏まえると、30代薬剤師の転職活動においては、自身が優先したい条件を明確にしたうえで、評価制度や裁量、待遇全体をみることが重要と言えます。

会社への貢献が評価に直結|入社後の活躍で年収150万円アップ(Nさん/33歳・男性)

30代薬剤師の転職事例のビフォーアフター比較図版2つ目

Nさんは管理薬剤師として一定の年収水準を得ていたものの、現職では評価制度が固定化されており、「これ以上年収が上がるイメージが持てない」ことに悩んでいました。職場環境そのものに大きな不満はなかったため、転職を迷う気持ちもありましたが、30代というキャリアの節目で、自身のモチベーションを維持できる環境を求めて転職を決断しました。

転職先では、入社当初の年収は大きく変わらなかったものの、新店立ち上げや在宅医療の営業活動など、会社の成長に直結する業務へ積極的に関与しています。

その結果、経営層からの評価が高まり、入社後に年収150万円以上アップ。さらに将来的には年収800万円以上を目指せる可能性があるポジションへとキャリアアップしています。

このケースを踏まえると、30代薬剤師にとっては、「転職時の提示年収」だけでなく、「入社後のキャリアアップや年収アップが目指せるか」が重要だといえます。

30代薬剤師が転職後も継続的に年収を伸ばしていくためには、前職で培ったマネジメント力やコミュニケーションスキルを活かせるポジションがあるか、そして明確なキャリアステップが用意されているかを確認すると良いでしょう。

勤務地条件の柔軟性が年収アップに直結|地方薬局への転職で年収230万円以上アップ(Kさん/30歳・男性)

30代薬剤師の転職事例のビフォーアフター比較図版3つ目

Kさんは調剤経験がまだ1年程度と浅い段階でしたが、奨学金を返済しなければいけない状況にありました。加えて、在籍していた薬局の人間関係や雰囲気が合わず、精神的な負担も感じていたことから、「年収アップ」と「環境改善」の両立を目指して転職活動を開始しました。

転職にあたって大きな強みとなったのが、配属店舗にあわせた転居が可能だった点です。

地方薬局では薬剤師不足が続いており、経験年数が浅くても、勤務地条件が合致すれば高年収提示が出やすい傾向があります。Kさんは面接・職場見学を通して、経営層の考え方や現場の雰囲気をしっかり確認し、病院門前の薬局で学べる環境に加え、高年収、住宅手当付きという好条件で転職を実現しました。

今回のケースを踏まえると、30代前半の薬剤師であっても、勤務地の選択肢を広げるだけで年収が大きく変わる可能性があることを示しています。「今の年収が低い=スキル不足」と決めつけず、市場ニーズの高いエリアに目を向けることが年収アップの近道になる場合もあります。

30代薬剤師はキャリア設計を意識しよう

薬剤師の男女が正面を向いて微笑んでる写真

30代薬剤師の年収は、経験年数だけで一律に決まるものではなく、役職や業種、働き方の選択によって差が生じやすい傾向にあります。

30代は、マネジメント業務や教育・育成に関わる機会が増え、年収が伸びやすい人と横ばいになる人の分岐点になるケースも多いです。また、男女間の年収差についても、雇用形態や勤務時間の違いが影響しているケースが多く、必ずしも能力差によるものとはいい切れません。

さらに、地域や業種によっても年収水準が異なる傾向があり、自身のライフステージや価値観に合った選択が重要になります。30代は転職市場においても評価されやすい年代であり、これまでの経験をどう活かすかによって、今後の年収や働き方は大きく変わります

将来像を見据えたキャリア設計を意識することが、30代薬剤師にとってのポイントと言えるでしょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2026/02/26

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