転職ノウハウ
  • 公開日:2019.12.05
  • 更新日:2026-07-15

薬剤師の福利厚生にはどんなものがある?転職時に確認すべきポイント

薬剤師の福利厚生にはどんなものがある?転職時に確認すべきポイント

薬剤師が転職を考え始めたとき、まず検討するのは調剤薬局や病院などの業種ではないでしょうか。あるいは、年収や年間休日などの労働条件から求人を絞り込んでいく方もいらっしゃるかもしれません。しかし、転職時に求人を調べる際、もう一つチェックしておきたい項目があります。それが福利厚生です。

近年、薬剤師に求められる役割は変化しつつあります。そんな今だからこそ、福利厚生の内容をしっかりと確認することで、「働きやすい職場かどうか」「キャリアアップできる職場かどうか」という点まで含めて、自分に合った求人かどうかを総合的に判断することが重要だと言えます。

そこでこの記事では、【薬剤師が転職するときにチェックすべき福利厚生】について、いくつか例を挙げてご紹介していきます。

そもそも福利厚生とは?

「福利厚生」という言葉自体はよく聞くけれど、詳しい内容までは分からないという方も多いのではないでしょうか。福利厚生とは、簡単に言うと「従業員が安心して働ける環境を整えるための制度」のことで、「法律で決められているもの(法定福利厚生)」と「企業が独自に決めているもの」の大きく2種類があります。

法律で決められている福利厚生

まず、法律で決められている福利厚生にどのようなものがあるかをご紹介します。以下の制度は法律によって企業に導入・費用負担が義務付けられているもので、万が一企業がこの義務を怠った場合、法律違反として罰金などの対象になります。

法定福利厚生の分類 法定福利厚生の種類 詳細 根拠となる法律
社会保険 健康保険 医療費の自己負担が軽減される制度 健康保険法
介護保険 介護サービスを受けたときの自己負担が軽減される制度 介護保険法
厚生年金保険 全員加入の国民年金に上乗せして企業が拠出する年金 厚生年金保険法
労働保険 雇用保険 万が一失業した際に、一定の給付を受け取れる制度 雇用保険法
労働者災害補償保険 仕事中や通勤中の病気やけがに対して、治療費の給付を受けられる制度 労働者災害補償保険法
休暇 年次有給休暇 休暇をとっても1日分の賃金が支払われる制度 労働基準法
産前産後休業 雇用形態に関わらず、出産する女性が取得できる休暇 労働基準法
育児休業 原則として、1歳未満の子どもがいる男女が取得できる休暇 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
介護休暇 要介護状態の家族がいる場合に取得できる休暇 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
【補足】
休暇制度に関しては、企業によって独自の取り組みを行っているケースもあります。詳しくは後ほど解説します。

企業が独自に決めている福利厚生

法律で決められている福利厚生だけでなく、従業員をサポートするために企業が独自の福利厚生を用意している場合もあります。さまざまな取り組みがありますが、ここでは代表的な制度をご紹介します。

薬剤師賠償責任保険

まず、確認しておきたいのは「薬剤師賠償責任保険」です。多くの薬剤師が加入している保険ですが、もしかしたら転職前の職場で「気づかないうちに加入していた」という方もいらっしゃるかもしれません。

薬剤師賠償責任保険とは、調剤ミスや服薬指導漏れといった業務上のミスで法律上の損害賠償責任を問われた際、保険金が支払われる制度です。

そういった事故を起こさないよう、調剤者とは別に監査者を置いたり、薬を補充する際もダブルチェックをしたりと、現場ではさまざまな工夫が行われていますが、それでもリスクをゼロにすることはできません。

薬剤師賠償責任保険に加入していれば、万が一のことがあっても損害賠償金を保険金でまかなうことができます。

薬剤師賠償責任保険は、職場単位で加入する場合と、薬剤師個人で加入する場合があります。求人をチェックする際、薬剤師賠償責任保険に職場として加入しているのか、個人として加入する必要があるのかも確認しておくとよいでしょう。

通勤手当

続いて確認したいのは通勤手当です。実は法律上では、企業が従業員に通勤手当を支給する義務は定められていません。通勤手当の内容は企業の裁量によって独自に決められており、多くの場合求人票にもその内容が記載されています。

たとえば、「自宅から職場までの距離が〇kmを超える場合のみ支給」といった条件が設けられていたり、「1カ月あたり〇〇万円まで」と上限金額が設定されている場合もあります。

また、自動車やバイクで通勤する場合は、一部燃料費を負担してくれる企業もあるようです。求人票を確認するとき、通勤手当の支給条件もあわせて確認できるとよいでしょう。

住宅手当

住宅手当が支給されるかどうかも多くの方が気になるポイントでしょう。住宅手当の支給金額や条件は法律で規定されていないので、働く環境によって大きく異なります。

たとえば支給対象が世帯主の正社員限定だったり、賃貸住宅に住んでいる従業員のみだったり、勤務地から一定の距離以内に居住していることなど、企業によってさまざまな条件を設けている場合があります。

とくに住宅に関する費用は生活のなかでも比重が大きいものです。そのため求人をチェックする際は、「住宅手当があるのかどうか」「ある場合、自分が対象になるのかどうか」を確認しましょう。

企業独自の休暇制度

労働法などの法律で決められている年次有給休暇とは別に、企業が独自に休暇制度を設けている場合もあります。よく見られる企業独自の休暇としては以下のようなものがあります。

  • バースデー休暇
  • リフレッシュ休暇
  • ボランティア休暇
  • 夏季休暇
  • 慶弔休暇
  • 裁判員休暇

有給休暇に加え、上に挙げたような休暇制度があるとワークライフバランスを整えやすくなるかもしれません。転職後、有休に加えてどれくらい休暇を取得できるかを事前に確認しておきましょう。

自己啓発・スキルアップ

職場によっては、業務に役立つ書籍の購入費用を補助してくれたり、認定薬剤師の単位を取得できるセミナーの受講費を補助してくれたりすることもあります

また、現在とくに重視されている在宅医療への対応力を上げる研修や、特定の難病など各領域の専門性を高めるための研修が用意されている企業なら、キャリアアップのモチベーションも上がりそうですね。

誰でも福利厚生が受けられるの?

悩んでいる様子の薬剤師

「求人に書かれている福利厚生の内容は魅力的だけど、自分も対象になるのかな?」と気になってしまうこともあるかもしれません。受けられる福利厚生の内容は、どのような雇用形態で雇われているかによって変わります。

正社員の場合は、通常対象となる福利厚生をすべて受けることができます。また、正社員と業務内容や業務の変更範囲などが同様の非正規雇用のスタッフについても、正社員と不合理な待遇格差を設けることは禁止されているため、原則として正社員と同等の福利厚生を受けることができるようになりました。

ただし、雇用形態や勤務時間によっては受けられる福利厚生の内容が異なる可能性があるため、詳細は担当者に確認するとよいでしょう。

【一覧】薬剤師が転職するときに確認したい主な福利厚生

ここまでさまざまな種類の福利厚生をご説明しましたが、この章では、薬剤師が転職するときに確認したい主な福利厚生を一覧でまとめてご紹介します。

薬剤師賠償責任保険 調剤ミス等によるリスクヘッジのため、薬剤師としてはほぼ必須加入の保険。保険料が個人負担か、企業負担かをチェック。
産休・育休制度 その職場での実際の取得実績や復職率、復職後の時短勤務についても確認できると安心。
自己啓発・スキルアップ 会社としてキャリアアップを後押ししてくれる制度があると、モチベーション向上にもつながる。
企業独自の休暇制度 独自の休暇制度がどれくらい充実しているかによって、ワークライフバランスを重視している企業かどうかが分かる。
住宅手当 住宅にかかる費用は出費のなかでもインパクトが大きいので、自分が支給要件に当てはまるか確認しておきたい。

<福利厚生チェック>調剤薬局の場合

大手調剤薬局チェーンの場合、充実した福利厚生が用意されていることが少なくありません。法律で定められている各種社会保険や産休・育休などの制度はもちろん、企業ごとに独自の福利厚生を整備していることも多いため、応募する前にしっかり確認することが重要です。

たとえば、ライフステージの変化や万が一の場合に備えられる退職金制度や財形貯蓄、団体定期生命保険などを整備している企業もあります。会員制の福利厚生サービスや企業が契約している保養所を利用できるなど、余暇に使える制度があるのもうれしいですよね。また、調剤薬局ならではの福利厚生としては、系列の薬局で処方箋調剤を依頼した場合の自己負担額を一部支給してくれる制度も一部の企業で導入されています。

こうした福利厚生の制度は働くモチベーションにもつながりますよね。求人を探す際は、福利厚生の項目にもぜひ注目してみてください。

<福利厚生チェック>病院の場合

病院薬剤師の求人をチェックするときは、まず病院の規模や運営元を確認するようにしましょう。

国や自治体、独立行政法人などが運営する公立病院の場合は、公務員やそれに準じた立場での採用となるため、さまざまな福利厚生が整っているところが多いです。たとえば院内に保育所が整備されていたり、時短勤務や看護休暇などの制度が豊富に用意されていたりと、子育て中でも働きやすい環境が整っている病院も少なくありません。

一方、民間の病院は施設の経営状況などによって福利厚生の充実度合いが異なります。公立病院ほどの福利厚生がない場合もあるかもしれませんが、病院によっては子育て支援に力を入れているところもあります。給与面だけでなく、自分が働きやすい制度が整っているかをチェックすることも重要ですね。

<福利厚生チェック>ドラッグストアの場合

ドラッグストアの場合も、企業の規模によって福利厚生の充実度は異なります。やはり大手企業が運営しているドラッグストアの方が、福利厚生が手厚い傾向にあると言えるでしょう。

調剤薬局や病院でも取り入れられている制度も多くありますが、ドラッグストアならではの福利厚生として注目したいのが社員割引です。食品や日用品、化粧品など店舗で扱っている商品を割引価格で購入できるため、生活の助けになります。また、調剤薬局を併設しているドラッグストアの場合は、系列店で薬剤を処方された際の負担額を一部補助してくれる企業もあります。

一方、ドラッグストアの求人で注意しておきたいのは勤務シフトです。土日出勤や、遅い時間帯まで営業している店舗もあるため、休暇制度なども確認した上で、自分のライフスタイルに合った勤め先を選びましょう

<福利厚生チェック>派遣薬剤師の場合

最後に、派遣薬剤師として働く際の福利厚生のチェックポイントについてもご説明します。さまざまな形態の薬局に派遣されて働く派遣薬剤師の場合は、派遣元の福利厚生を受けることができます

そのため、派遣元企業の福利厚生制度をしっかり確認しておきましょう。法律で定められている基本的な福利厚生の他、薬剤師のスキルアップをサポートする教育制度に力を入れている派遣会社もあります。

たとえばファルマスタッフでは、入職時導入研修やキャリア支援研修をはじめ、各種セミナーやe-ラーニングなど、薬剤師としてのキャリア形成に役立つ手厚いプログラムをご用意しています。派遣薬剤師として経験を積みたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

福利厚生までしっかり確認して、後悔のない転職を

書類をチェックしている薬剤師

この記事では、薬剤師が転職するときにチェックしておきたい福利厚生について解説しました。

自分にとって働きやすい職場を探すためには、福利厚生の制度に注目することも重要です。そうはいっても、「自分ひとりではいろいろな求人を比較する時間がない......」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。少しでも不安を感じている方は、ぜひファルマスタッフの転職コンサルタントにご相談ください。

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記事掲載日: 2019/12/05

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