服薬指導に活かす医薬品情報

リボトリール錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

適応症は「小型(運動)発作[ミオクロニー発作、失立(無動)発作、点頭てんかん(幼児けい縮発作、BNSけいれん等)]、精神運動発作、自律神経発作」です。特に、ミオクロニー発作の第一選択薬として用いられています。

Q

用法・用量は?

A

通常、成人・小児には、初回量として1日0.5~1mgを1日1~3回、維持量として1日2~6mgを1日1~3回経口投与します。乳・幼児には、初回量として、1日0.025mg/kgを1日1~3回、維持量として1日0.1mg/kgを1日1~3回経口投与します。いずれの場合も年齢、症状に応じて適宜増減します。

Q

作用機序は?

A

てんかんは、脳内の神経が異常に興奮することで起こると考えられています。脳内の神経の興奮に対する、抑制系の神経伝達物質としてGABA(gamma-aminobutyric acid:γ-アミノ酪酸)があり、GABAが受容体に結合すると神経興奮は抑制されます。神経細胞において、GABA受容体はベンゾジアゼピン(BZD)受容体と複合体を形成しています。本剤はBZD系の抗てんかん薬で、BZD受容体にアゴニストとして結合し、GABAの受容体親和性を高めることで神経興奮を抑制します。

Q

注意すべき副作用は?

A

主な副作用は眠気、ふらつき、喘鳴等です。また、重大な副作用として依存性や呼吸抑制、錯乱、肝機能障害等があります。眠気、ふらつき等の神経系抑制により起こる副作用は用量依存性であるため、増量時や高用量で服用している患者さまでは特に注意します。

Q

妊婦・授乳婦への投与は?

A

妊娠初期に抗てんかん薬を服用していた場合、健常妊婦に比べて先天異常の発生確率が約2~3倍になると言われています。しかし、妊娠中にてんかん発作を起こすことで流産・早産や、胎児死亡に至る可能性があるため、妊娠中もてんかん発作をコントロールすることが重要です。妊娠中も抗てんかん薬の服用が必要な場合は、妊娠前から単剤でのコントロールを目指し、催奇形性リスクの低い薬剤を選択します。インタビューフォーム等にはクロナゼパムが催奇形性を招くという記載はなく、他のBZD系化合物(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)の服用で口唇裂、口蓋裂等が多くなるとあります。また、授乳は抗てんかん薬服用時でも原則可能です。しかし、抗てんかん薬は母乳中に一部移行します。クロナゼパムは比較的母乳に移行しやすく、子に傾眠や哺乳力低下等の症状がみられる場合は、子の血中濃度測定等を行います。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2020/07/30
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