服薬指導に活かす医薬品情報

ノルスパンテープ

Q

何のお薬?

A

適応症は「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛-変形性関節症、腰痛症」です。オピオイド鎮痛剤の継続投与が必要で、日常生活動作障害を有する慢性疼痛の管理にのみ使用します(非麻薬)。

Q

用法・用量は?

A

前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用します(効果は7日間持続)。初回貼付用量は5mg、その後は患者さまの症状に応じて適宜増減しますが、20mgを超えないこととされています。

                

Q

使用上・適用上の注意点は?

A

《初回貼付時》

初回貼付72時間後まで血中濃度が徐々に上昇します。鎮痛効果が得られるまで時間を要するため、必要に応じ、他の適切な治療の併用を考慮します。


《貼付方法》

血中濃度が上昇するおそれがあるため、毎回貼付部位を変え、同じ部位に貼付する場合は、3週間以上の間隔をあけます。膝や腰に貼付した場合、十分な血中濃度が得られないおそれがあるため貼付場所を確認しましょう。貼付後、約30秒間手のひらでしっかり押さえ、本剤の縁の部分が皮膚面に完全に接着するようにします。


《増量》

適切な鎮痛効果かつ副作用が最小となるよう用量を調節します。鎮痛効果が十分得られない場合は、5~10mgずつ貼り替え時に増量。初回貼付時と同様、すぐに鎮痛効果があらわれないことがある旨伝えておきましょう。


《減量》

連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので、副作用等による減量の場合でも患者さまの状態を確認しながら慎重に行います。


《投与の継続》

本剤貼付開始後4週間を経過しても効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討します。定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性を検討するため、『痛み治療ノート(治療記録)』を患者さまに記録していただき、生活改善の目標と達成度、貼付場所や日時、痛みの治療効果や副作用、併用薬、改善点、気づいた点、食事について等の情報を医師、薬剤師、看護師等に共有するよう指導するとよいでしょう。


《投与中止》

退薬症候の発現を防ぐため、徐々に減量します。長期使用後の急な投与中止により禁断症状(不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等)があらわれることがあります。 《保管・廃棄方法》子供の手の届かない、高温(30℃以上)にならない所に保管します。使用後捨てる時は粘着面を内側にしてふたつ折りにたたみます。


《保管・廃棄方法》

子供の手の届かない、高温(30℃以上)にならない所に保管します。使用後捨てる時は粘着面を内側にしてふたつ折りにたたみます。


Q

副作用は?

A

オピオイドに特徴的な副作用には、悪心(62.5%)、嘔吐(35.7%)、食欲不振(9.8%)、便秘(33.7%)、傾眠(30.3%)等 が報告あり、制吐剤や緩下剤で対策されることがあります。


傾眠は鎮痛効果が得られている患者さまで、通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性があり、減量が必要になる場合もあります。車の運転や危険な機械の操作を控えるよう指導をしましょう。重大な副作用として、呼吸抑制、呼吸困難、ショック、アナフィラキシー様症状、依存性の報告があります。

Q

調剤時の対応について

A

承認条件(治療に精通した医師のみにより処方されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられる)に基づき、医療機関の登録が必要です。


処方医が適正使用講習e-Learning受講済み医師であるか否かをWEB(ID・パスワード必要)または流通管理窓口への問合せ(電話)により確認します。e-Learning受講済み医師であることを確認できない場合は、本剤の調剤をせず、処方医に疑義照会するとともに流通管理窓口に連絡します(薬剤師法第21条の正当な調剤拒否理由に該当)。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2020/01/23
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