トリプタン製剤は、5-HT1B/1D受容体作動により片頭痛を抑える薬です。 しかし、血管収縮作用もあるため虚血性心疾患や脳血管障害のある患者さまへの使用は禁忌になります。 一方で、レイボーは5-HT1F受容体作動薬であり、5-HT1B受容体に関与する血管収縮作用がないため、これらの疾患をもつ患者さまにも使用可能です。 レイボーは、用量が多いほど効果発現までの時間が早くなる特徴があります。 臨床試験では、通常量の100mgでは服用1時間後。 最大量の200mgでは服用30分後から、プラセボとの間に有意差が認められました。 また、トリプタン製剤は、眠気、胸部不快感、のどの締め付け感といった副作用が、投与後しばらく続くことがありますが、レイボーではこれらの副作用の発現頻度が少ないとされています。(※ただし、レイボーでも眠気やめまいといった副作用が報告されており、注意が必要) 参考として、トリプタン製剤を服用しても頭痛が治らない場合、レイボーを服用することは可能です。(※どれくらい時間を空けるべきか明確な基準は明示されていません) ナラトリプタンを除くトリプタン製剤の効果は2時間以内にあらわれるので、それ以降も頭痛が続く場合、レイボーの服用を検討しても良いと考えます。 処方監査・服薬指導のPOINTトリプタン製剤が処方された患者さまには、心筋梗塞や脳卒中などの既往歴がないか確認します。 虚血性心疾患や脳血管障害だけでなく、末梢血管障害のある患者さま(例:深部静脈血栓症など)でも禁忌になるので、現疾患や既往歴をしっかり確認することが重要です。 |
Q |
虚血性心疾患や脳血管障害のある患者さまでも使える片頭痛治療薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2025/06/12
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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