トリプタノール(アミトリプチリン)は、片頭痛予防の適応外ですが処方されることがあります。 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会が監修されている「頭痛の診療ガイドライン2021」では、エビデンスの高い治療方法として推奨されています。 アミトリプチリンを片頭痛の予防に使用する場合、1日5~10mg程度の低用量から開始し、効果や副作用(口渇、便秘、眠気など)を確認しながら徐々に増量します。 (※鎮静作用があるため、就寝前の服用が一般的です。) なお、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大による尿閉のある患者さまには禁忌となります。また、体重増加のリスクがあるため、肥満の患者さまへの投与は慎重に検討すべきでしょう 投与開始後3ヵ月間で、片頭痛の発作頻度や発作日数が50%以上減少すれば、効果があると判断できます。 ▼参考資料はコチラ アミトリプチリンと同様に適応外ですが、抗うつ薬のイフェクサー(ベンラファキシン塩酸塩)、β遮断薬のメトプロロール、抗てんかん薬のトピラマートなども片頭痛予防に処方されることがあります。 高血圧を合併した患者さまに対しては、ACE阻害薬のリシノプリル水和物やARBのカンデサルタン シレキセチルが使用される場合もあります。また、群発頭痛のある患者さまに対しては、ベラパミルがよく処方されます。 処方監査・服薬指導のPOINT片頭痛の予防薬として適応がある内服薬は、ロメリジン、プロプラノロール、バルプロ酸ナトリムですが、これら以外の薬が適応外で処方される場合もあります。 適応外処方であることを知らずに服薬指導を行うと、患者さまに不要な心配を与える可能性があります。 医師の処方意図を正しく理解して服薬指導をすることが重要です。患者さまの主訴と適応疾患が相違して判断に迷う時は、疑義照会を行い、処方意図を確認しましょう。 |
Q |
片頭痛予防に適応外処方として使用されることがある薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2025/06/26
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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