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サイアザイド系類似利尿薬であるナトリックスは、遠位尿細管でナトリウムイオンの再吸収を抑制すると同時にカルシウムイオンの排泄も抑制する作用があるため、血清カルシウム値を上昇させる可能性があります。 トリクロルメチアジドやヒドロクロロチアジドなどのサイアザイド系利尿薬でも同様の作用があります。 これらの薬剤は、主に降圧目的でカルシウム拮抗薬やARB/ACE阻害薬と併用して処方されることが多く、通常は低用量で使用されます。 特に、塩分摂取の多い患者さまでは、効果が得られやすい傾向にあります。 注意点として、高度腎障害がある患者さまでは効果が得られにくいため、使用は限定されます。 また、サイアザイド系利尿薬は、他の電解質などへの影響として、血清ナトリウム値低下、血清カリウム値低下、尿酸値上昇が知られており、併用薬や患者背景によっては注意が必要です。 例えば、骨粗鬆症治療に用いられるカルシウム製剤や活性型ビタミンD3製剤にも血清カルシウム値を上昇させる作用があるため、サイアザイド系利尿薬と併用すると血清カルシウム値がより高くなるおそれがあります。 高カルシウム血症の初期症状としては、倦怠感、食欲低下、悪心などがありますが、自覚症状のみで判断することは難しいため、定期的な血液検査によるフォローが望まれます。 参考として、フロセミドやアゾセミドなどのループ利尿薬は、ヘンレ係蹄上行脚でナトリウムイオンおよびカルシウムイオンの再吸収を抑制して尿中排泄を促進するため、血清カルシウム値を低下させるおそれがあります。 処方監査・服薬指導のPOINTサイアザイド系利尿薬やその類似薬が処方されていれば、骨粗鬆症に対する良い影響を期待できます。 しかし、すでに骨粗鬆症の治療をしている患者さまでカルシウム製剤や活性型ビタミンD3製剤を服用している場合、定期的に血液検査が行われているか確認しましょう。 6ヶ月以上血液検査がなければ、医師に情報提供をしておくと良いでしょう。 |

Q |
血清カルシウム値を上昇させる可能性のある利尿薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2025/12/24
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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