徐放性があるため半分に割ることができない薬はどれでしょうか?

Q

徐放性があるため半分に割ることができない薬はどれでしょうか?

    ベタニスは徐放性製剤なので、添付文書の注意に従い、分割や粉砕をせずに取り扱う必要があります。

    添付文書の薬剤交付時の注意には、

    「本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、薬物動態が変わるおそれがある。」

    ベタニス®錠 添付文書 2021年8月改訂(第2版)|PMDAより引用

    と明記されています。

    錠剤を分割できるかどうかは、添付文書の「製剤の性状」「薬剤交付時の注意」にある割線の有無だけで判断するのではなく、インタビューフォームもあわせて確認することが重要です。

    ベタニスのように薬剤名に「徐放」などの表記がなくても徐放性を有する場合があるので、添付文書で必ず確認してください。

    たとえば、タムスロシン塩酸塩OD錠、グアンファシン塩酸塩(インチュニブ錠)、パリペリドン(インヴェガ錠)、フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合錠(プソフェキ配合錠)などは、製剤によって分割が推奨されていない場合があります。

    そのため、各製剤の添付文書、インタビューフォームで分割の可否を確認しましょう。(※インチュニブやインヴェガのように一般名側に「徐放錠」と付くものや、プソフェキのように一般名にも記載がないものもあるため注意してください。

    他に、ジルチアゼム塩酸塩錠60mg「トーワ」は外観上の線がありますが、添付文書に「割線」の記載はなく、徐放性製剤であるため分割や粉砕などは推奨されておりません。

    また、先発のベシケアOD錠5mgには割線がありませんが、一部の後発医薬品(例:ソリフェナシンコハク酸塩OD錠)には割線があります。

    しかし、こちらも「かみ砕いた際にマスキング粒が壊れ、刺激性を感じる可能性がある」と添付文書に記載されているため同様に注意が必要です。

    製剤の性状的に分割が可能とされる場合でも、添付文書に注意喚起がある場合、分割は推奨されないことがあるため留意しましょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    錠剤を分割する場合、まず添付文書の「製剤の性状」や「薬剤交付時の注意」、インタビューフォームを確認してください。

    たとえ分割が可能な製剤であっても、割面から強い苦味や刺激感が生じ、服薬コンプライアンス低下に繋がる可能性があります。必要に応じて他規格への変更も含めて検討するとよいでしょう。

    とくに、徐放性製剤を分割や粉砕で調剤すると、薬物動態の変化により健康被害につながるおそれがあるため、調剤前に製剤の特性を確認し、必要に応じて薬剤師間での情報共有や処方医への確認を行いましょう。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2026/06/29
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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