血栓塞栓症の発症リスクが高い患者さまにおいて、単独服用時に休薬なく大腸ポリープ切除を行うことができる抗血栓薬はどれでしょうか?

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血栓塞栓症の発症リスクが高い患者さまにおいて、単独服用時に休薬なく大腸ポリープ切除を行うことができる抗血栓薬はどれでしょうか?

    一般社団法人日本消化器内視鏡学会が公表する「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」では、出血高危険度の消化器内視鏡において、血栓塞栓症の発症リスクが高いアスピリン単独服用者では休薬なく施行してもよいと記載されています。

    大腸ポリペクトミー(大腸ポリープ切除)は同ガイドラインで出血高危険度の手技に分類されており、この条件に該当するアスピリン単独服用者では、休薬なく施行してもよいとされています。

    その理由は、休薬による血栓塞栓リスクが、継続による出血リスクを上回ると考えられているためです。

    また、消化管出血の多くは内視鏡的止血術でコントロールできますが、休薬により生じる血栓塞栓症は不可逆的な障害を残す恐れがあります。

    ただし、一次予防でアスピリンを服用している場合など、血栓塞栓症の発症リスクが低い患者さまでは、3〜5日間の休薬を考慮するとされています。

    注意したいのは併用例です。

    アスピリンに加えて、クロピドグレルやDOACなどの抗血栓薬と併用している場合は、休薬が可能となるまで内視鏡を延期することが望まれます。

    延期が困難であれば、アスピリンまたはシロスタゾールの単独投与とし、クロピドグレルなどのチエノピリジン誘導体は5〜7日間の休薬が必要です。(ガイドラインより)

    参考までに他の選択肢を整理すると、エドキサバントシル酸塩水和物(リクシアナ)などのDOACは前日まで服用を継続し、処置当日の朝から内服を中止するよう記載されています。

    サルポグレラートとイコサペント酸エチルは、いずれも1日の休薬が原則です。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    出血高危険度の大腸ポリペクトミーを予定している場合でも、バイアスピリンは一律に休薬が必要というわけではなく、他の抗血栓薬を併用していないことを前提に、血栓塞栓症の発症リスクに応じて継続・休薬の可否が判断されます。

    ※休薬期間はあくまでガイドライン上の目安であり、実際には施設のプロトコル、患者さまの腎機能や血栓リスク、術中の出血リスクなどを踏まえて、医師が個別に判断することになります。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2026/10/06
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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