服薬指導に活かす医薬品情報

ウブレチド錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

神経伝達物質であるアセチルコリンを増やすことで、膀胱の収縮力を高めて尿の出をよくしたり、筋肉の神経の働きをよくして筋力を回復させます。


Q

作用機序は?

A

アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼの作用を阻害し効果を発揮します。


Q

用法・用量について

A

2010 年3 月より、「手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難」の用法および用法が変更されています。これは、死亡に至る重篤な副作用である「コリン作動性クリーゼ」の発現が排尿困難の適応で認められており、その発現防止のための安全策として1日5mg(1錠)に変更されました。


Q

コリン作動性クリーゼについて

A

ウブレチド錠5mgの添付文書の警告欄にも記載されている、最も重要な副作用のひとつがコリン作動性クリーゼです。

コリン作動性クリーゼとは、コリンエステラーゼ阻害薬による治療中に起こる呼吸困難を伴うアセチルコリン過剰状態の急激な悪化とされ、人工呼吸を要する状態を言います。その症例を集計した報告によりますと、発現した患者さまの90%以上が60歳以上であり、また、投与開始から症状発現まで40%の方が2週間以内に発現したとされています。従って、高齢者で特に投与開始後2週間以内は厳重な観察が必要という注意喚起がされています。

また、コリン作動性クリーゼの初期症状として、悪心・嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状、唾液分泌過多、気道分泌過多、呼吸困難などの呼吸器症状、その他発汗、徐脈、縮瞳などがあります。患者さまにはあらかじめ伝達し、その兆候が現れた場合はただちに服用を中止して医師の指示を仰ぐよう指導してください。



飲み始めから2 週間は注意!!

ウブレチド錠の成分であるジスチグミン臭化物は、その物質自体は極めて水に溶けやすい性質を持っており、腎排泄型の薬物とされています。しかしながら、健常成人(5名)におけるウブレチド錠5mg単回投与時の半減期はT1/2α=4.47±2.03時間、T1/2β=69.5±5.1時間であり、腎排泄型の薬物としては比較的長い半減期を有し、仮に、定常状態に到達するまでを5半減期とすると、69.5時間×5=347.5時間≒14.5日となり、服用後定常状態に到達するまで約2週間要することになります。

また、健康成人単回経口投与のデータ(Int.J.Clin.Pharmacol.Ther.37(8):393,1999)に基づいて反復経口投与による血中濃度の推移もシミュレーションされており、この方法でも約2週間でほぼ定常状態に到達すると予測されます。

このことからも、服用開始後2週間は副作用の発現等、最も注意を要する期間であることがうかがえます。


Q

食事の影響

A

動物(犬)において絶食時と給餌事で薬物動態を比べたところ、Cmaxで約9.4倍、AUC0-24で約6.6倍絶食時服用のほうが高かったという報告があります。念のため、空腹時の服用は避けるよう指導しましょう。


掲載日: 2024/02/08
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります