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重症筋無力症患者では、抗コリン作用を有する薬剤の投与により、呼吸筋を含む筋力の低下(呼吸困難、四肢脱力など)が発生するリスクがあります。 そのため、多くの薬剤の添付文書には禁忌として記載されています。 重症筋無力症の治療に使われるコリンエステラーゼ阻害薬(メスチノン(ピリドスチグミン臭化物)、マイテラーゼ(アンベノニウム塩化物)、ウブレチド(ジスチグミン塩化物)、ワゴスチグミン(ネオスチグミンメチル硫酸塩))は、アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンの量を増やすことで効果を発揮します。 神経と筋肉の伝達物質であるアセチルコリンが低下すると、筋力が低下して症状が悪化する恐れがあるので、重症筋無力症の患者さまに適していません。 抗コリン作用がある薬の多くは、急性閉塞隅角緑内障に禁忌です。 あわせて重症筋無力症にも禁忌である可能性が高いと覚えておきましょう。とくに、下記の薬には気を付けてください。 ・ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬 ・過活動膀胱治療薬(抗コリン薬) ・多汗症治療薬 ※ほかに、抗コリン作用があるパーキンソン病治療薬や抗不整脈薬の一部も重症筋無力症に禁忌なので注意しましょう。 処方監査・服薬指導のPOINT重症筋無力症は、薬局で頻繁に遭遇する疾患ではありません。 そのため、メスチノンなどの治療薬を調剤した経験がない薬剤師は多いと思います。疾患禁忌は、併用薬から連想できないと見過ごす恐れが高いので注意してください。 コリンエステラーゼ阻害薬が処方されている患者さまや、重症筋無力症を治療している患者さまの処方鑑査では、禁忌薬が処方されていないかしっかり確認しましょう。 |

Q |
重症筋無力症の患者さまに禁忌と添付文書に記載されている薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2025/04/17
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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