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高カリウム血症の治療に用いられるビルタサ(パチロマーソルビテクスカルシウム)は、消化管内でカリウムイオンと陽イオンの交換反応を行い、糞便中へのカリウム排泄を促すことで、血清カリウム値を低下させる薬剤です。 この交換反応により、ビルタサに結合していたカルシウムイオンが放出されます。放出されたカルシウムイオンがキノロン系抗菌薬と難溶性のキレートを形成することで、抗菌薬の吸収が低下する可能性があります。 そのため、これらの薬を併用する場合は、服用間隔を3時間以上空けるよう添付文書に記載されています。また、ビルタサとメトホルミンを同時服用した場合もメトホルミンの吸収が低下する可能性があるため、同様に3時間以上空ける必要があります。 他の高カリウム血症治療薬であるカリメートも、ビルタサと同様にカルシウムを放出しますが、添付文書にはキノロン系抗菌薬との併用に関する注意の記載はありません。 ケイキサレートとロケルマは、カルシウムではなくナトリウムを放出するため、キノロン系抗菌薬とキレートを形成することはありません。 処方監査・服薬指導のPOINT制酸剤(酸化マグネシウムなど)や鉄剤を服用している患者さまにキノロン系抗菌薬が処方された場合、同時に服用するとキレート形成によって吸収が低下する可能性があるため、服用の間隔を空けるようご指導ください。 この点については、多くの薬剤師が処方鑑査の際にご留意されていることと思います。 同様に、ビルタサを服用中の患者さまにキノロン系抗菌薬が処方された場合も、同時に服用すると抗菌薬の吸収が低下する可能性があるため、併用にはご注意ください。 ビルタサの処方頻度はそれほど高くないかもしれませんが、見落としのないよう気をつけましょう。 |

Q |
キノロン系抗菌薬と同時服用すると吸収が低下する恐れのある薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2025/08/14
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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