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  • 公開日:2025.09.18

【2025年版】薬剤師の年収ランキング!都道府県別の比較や転職時の職場選び

【2025年版】薬剤師の年収ランキング!都道府県別の比較や転職時の職場選び

  

一般的に「薬剤師の年収は高い」と言われていますが、実際の年収は職種や企業規模、地域によって異なる傾向があります。
そのため、今の給与に満足できなかったり、将来のキャリアに不安を感じたりする方もいるかもしれません。
また、年収アップを目指して転職を考える方も多いのではないでしょうか。

本記事では、薬剤師の年収を地域や職種、性別など、さまざまな側面からランキング化して、その特徴を詳しく解説します。
ぜひ、ご自身の現在の年収と比較しながら、より良いキャリアを築くための参考にしていただければ幸いです。

【業種別】薬剤師の年収ランキング

1位2位3位の積み木

薬剤師の年収は、勤務する地域や薬剤師としての経験によって変動しますが、企業やドラッグストア、調剤薬局、病院など、どの業種で働くかによっても差が生じます。

薬剤師が働く主な業種の平均年収ランキングは以下の通りです。

順位 業種 平均年収(万円)
1 ドラッグストア
(調剤併設・OTC医薬品のみドラッグストアの合算)
623
2 企業 604
3 調剤薬局 593
4 病院・クリニック
(精神科病院・療養型病院・一般病院・クリニックの合算値)
532

※2025年7月31日時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、上限年収の平均値を算出しています。

ここからは、業種ごとの年収の特徴について詳しく説明します。

ドラッグストア

ドラッグストアで働く薬剤師は、病院や調剤薬局の薬剤師に比べて年収が高い傾向にあります。
この背景には、調剤業務だけでなく、レジ打ちや品出しなど多岐にわたる業務を担当することや、夜間や土日も営業しているため勤務時間が長くなりやすいことなどが挙げられます。

さらに調剤併設型ドラッグストアの方が通常のドラッグストアよりも年収が高い傾向にあります。
これは、OTC医薬品(要指導医薬品・一般用医薬品)に加え、より専門性の高い医療用医薬品を扱うためです。

ドラッグストアは大手チェーンが経営していることが多いため、勤務先による給与差はあまり大きくありません。また、男女による給与の違いもほとんど見られません。
さらに、調剤薬局と比べると加算算定をあまり行わない傾向があるため、算定の有無による給与差も少ないのが一般的です。

したがって、給与水準の差は主に個々人の働き方やキャリアアップによって生じると言えるでしょう。

企業

製薬会社などの企業で働く薬剤師の年収は、一般職と同様に、個々人のスキルや、これまでの経験年数に応じて段階的に変わっていく傾向があります。

また、薬剤師資格を直接活かして就職できる企業は限られており、選択肢自体もそれほど多くありません。
そのため、職場ごとの給与差は大きくなく、むしろ個々人のキャリアの積み重ねや配属職種によって年収が決まることが多いです。

調剤薬局

調剤薬局で働く薬剤師の年収は、給与体系の有無や企業規模、加算体制の有無、地域によって大きく異なります。

【給与体系による違い】

給与体系が定まっている調剤薬局の場合、給与テーブルが設定されていることから、それに則った給与水準になります。
そのため、年収アップを狙って転職活動する際は、給与体系の有無を確認するのもポイントです。

【規模感による違い】

調剤薬局の規模は、経費の使い方に影響し、薬剤師の年収に差が生じることがあります。
大手調剤薬局では、大規模な設備投資や店舗展開に費用をかけるため、人件費に割く割合が中小の薬局と異なる傾向があります。しかし、その分充実した研修制度や福利厚生、将来的な安定性があることがメリットといえるでしょう。

一方、中小や個人の調剤薬局は、設備投資や店舗拡大にかける費用が少ない分、人件費に多くの費用を回せる傾向があります。
そのため、高給与になりやすいですが、設備が最新でない場合もあるため、働きやすさの面では大手と異なる点があるかもしれません。

どちらにもメリット・デメリットがあるため、自身のキャリアプランや働き方に合わせて選択することが重要です。

【加算体制の有無】

かかりつけ薬剤師、在宅患者訪問薬剤管理指導、地域支援体制といった加算を算定している薬局や、健康サポート薬局、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局などに認定されている薬局は、収益性の向上が見込めるため、薬剤師の年収アップにつながりやすいです。
ただし、その分薬剤師に求められる役割も多くなり、業務負担が増える傾向にあります

【地域による違い】

首都圏の薬局は一般的に土地代が高いなど、支出が多くなる傾向があります。
そのため、地方の薬局と比較すると、給与水準がやや低くなるケースも少なくありません。

一方で、地方の薬局は、運営にかかる費用を抑えやすいため、その分人件費に費用を充当しやすいという背景から、高めの給与が提示されやすくなっています。

病院

病院で勤務する薬剤師の年収は、他の業種と比較すると控え目な傾向があります。
これは、病院が収益を求める機関ではなく、診療報酬や公費によって運営されているためです。

ただし、病院薬剤師として「認定薬剤師」や「専門薬剤師」など、専門性のある資格を取得したり、管理職になったりすることで、年収アップが期待できます。

【男女別】薬剤師の年収の比較

複数人の男女の薬剤師

次に、男女別での薬剤師の平均年収を比較します。

男女計 男性 女性
599万円 651万円 556万円

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

厚生労働省が発表した「令和6年度賃金構造基本統計調査」によると、男性の平均年収は651万円、女性は556万円で、男女で大きな違いが生じていることが分かります。薬剤師全体の平均年収は599万円で、これと比較しても女性は低い傾向にあります。

女性は産前・産後休業、育児休業をとったり、子育てや家事など家庭との両立により働き方を変えたりするケースが多いため、男女の平均年収に差が出ていると考えられます。

【都道府県別】薬剤師の年収ランキング

風景の写真

「年収を上げたい」と考える薬剤師のなかには、どの地域での転職が稼ぎやすいか気になる方もいるでしょう。では、地域による年収の特徴はあるのでしょうか。

薬剤師の都道府県別の平均年収ランキングは以下になります。

順位 都道府県 平均年収(万円)
1 岐阜県 633
2 静岡県 631
3 三重県 626
4 高知県 625
5 鳥取県 622
5 山梨県 622
7 島根県 615
7 佐賀県 615
7 北海道 615
10 山形県 613
11 岩手県 611
12 長崎県 610
13 石川県 606
14 青森県 604
15 大分県 603
15 鹿児島県 603
17 長野県 602
17 香川県 602
17 滋賀県 602
20 茨城県 601
21 愛知県 600
21 秋田県 600
23 福島県 599
24 福井県 597
24 富山県 597
26 和歌山県 594
26 大阪府 594
26 山口県 594
29 栃木県 593
29 宮崎県 593
29 愛媛県 593
32 群馬県 592
33 埼玉県 591
34 徳島県 590
34 新潟県 590
36 広島県 589
37 岡山県 586
38 神奈川県 581
39 千葉県 580
40 東京都 576
40 京都府 576
42 熊本県 574
43 沖縄県 570
43 奈良県 570
43 兵庫県 570
46 福岡県 569
46 宮城県 569

※2025年7月31日時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、上限年収の平均値を算出しています。

一般的な企業においては、東京や大阪など首都圏の年収が高い傾向にあります。しかし、薬剤師の場合は必ずしもそうではなく、都市部より地方の方が平均年収が高くなる傾向が見られます。

その理由として、医療需要に対する薬剤師の人数が地方では足りていない点や、大手チェーンなどが進出していない地方の中小企業が薬剤師を高給与で採用している点などが挙げられます。

業種×地域の年収ランキング

次に、業種別の平均年収トップ10の都道府県を以下にまとめました。

業種別の都道府県ランキングTOP10

※2025年7月31日時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに、上限年収の平均値を算出しています。

ドラッグストア

福井県、佐賀県、秋田県といった地域は、人口規模が比較的小さい一方で医療ニーズは一定数存在するため、薬剤師が不足しがちです。

その結果、人材確保のために比較的高水準の給与が提示される傾向があります。

調剤薬局

上位3県は、いずれも地方圏にあり、都市部に比べると薬剤師の供給が限られているため、給与水準が押し上げられている背景があると考えられます。

特に高齢化率の高い地域では調剤薬局が地域の生活インフラとしての役割を担っているため、在宅医療や地域包括ケアへの積極的な関与が求められます。

そのため、専門性とマンパワーを兼ね備えた人材を確保する目的で、給与面での待遇改善が行われていると考えられます。

病院・クリニック

上位3県はいずれも人材の供給が限られている地域で、広範囲にわたる医療提供や急性期対応を担う病院が多いことが特徴です。
特に鹿児島や北海道では離島・僻地医療が課題となっており、薬剤師も高度な専門性や柔軟な対応力が期待されています。

また、岐阜でも都市部への人材流出が見られる中で、待遇改善が進められていると考えられます。その結果、給与水準が押し上げられていると言えるでしょう。

企業

企業での年収は勤務先や職種によって大きく異なるため、一般的な相場を示すのは難しいのが実情です。

気になる方は、ぜひコンサルタントに相談して具体的な情報を確認してみてください。

薬剤師のボーナスはどのくらい?

薬剤師の年収は、ボーナスの支給額によっても左右されることがあります。

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師のボーナスの平均額は、年間82.4万円となっています。
ただし、ボーナスの支給額は、経験年数や勤務先の業種、勤務地域などによって大きく差があります。ボーナスについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

【薬剤師の年収は高い?】医療従事者の年収比較ランキング

男女の医療従事者

薬剤師と他の医療従事者の平均年収を比較すると、以下のようになります。

職種 平均年収(万円)
医師 1,338
歯科医師 1,136
獣医師 885
薬剤師 599
診療放射線技師 550
看護師 520
臨床検査技師 504
理学療法士、作業療法士
言語聴覚士、視能訓練士
444
栄養士 394

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査」の、企業規模10人以上における「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

このデータを見ると薬剤師の年収は決して低くないといえます。
医師の平均年収は特に高いですが、他の医療従事者は400~500万円台が多く、その中で薬剤師の約599万円という年収は高い水準です。

事例で見る!年収アップのヒントとは?

UPと書かれた黒板

年収アップを目的に転職を考える薬剤師の方は少なくありません。ただ一方で、「実際に転職して本当に給与が上がるのだろうか」と不安を感じる方もいるでしょう。
そこで、転職によって年収アップを実現した2名の事例をご紹介します。

それぞれがどのように行動し、どんな工夫で成功につなげたのかを見ていくことで、ご自身の転職活動にも役立つヒントとしていただけたら幸いです。

事例①:全国コース&ラウンダー勤務による年収アップ

最初の事例は、「年収600万円以上」を目標に転職活動を始めた薬剤師の男性です。

転職前の情報 ・40代男性
・年収600万円以下
・過去3社経験
・転職活動開始時の希望年収600万円以上
これまでの職歴・経験業務など 【職歴】
・管理薬剤師経験あり
・健康サポート薬局での経験あり
【経験業務】
・かかりつけ経験(1~2名)
・在宅業務経験あり
・複数科目を経験
・マネジメント業務
【資格】
・研修認定薬剤師

この方は勤務地を限定せず、全国どこでも勤務できるスタイルを選んだ結果、年収750万円〜832万円という好条件の内定を獲得しました。

大きな年収アップを実現できた背景には、「ラウンダー薬剤師」という働き方があります。
管理職を目指さなくても高収入が期待できる、この柔軟な働き方こそが、年収アップの大きな鍵となりました。

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事例②:急募求人&前職での実績による年収アップ

続いての事例は、管理薬剤師として年収500万円程度で働かれていた薬剤師の男性です。

転職前の情報 ・30代男性
・年収500万円程度
・管理薬剤師になったことで、みなし残業となり給与が下がった
・転職活動開始時の希望年収550万円
これまでの職歴・経験業務など 【職歴】
直近で管理薬剤師として勤務
【経験業務・実績】
・在宅診療時のマニュアル作成
・薬局のジェネリック医薬品使用率向上(63%→83%)
・患者さまの待ち時間短縮(45分→25分)

さらなる収入アップを目指して転職活動を行った結果、年収約650万円という条件での転職に成功しました。

年収が100万円以上アップした背景には、2つの要因があります。1つは、転職先が管理薬剤師を急募していたタイミングに合致したこと。もう1つは、この方がこれまでに培ってきた管理薬剤師としての豊富な経験が高く評価されたことです。

過去の経験が、年収アップの大きな決め手となりました。

年収アップを実現するための具体的な4つの方法

1から4の数字が書かれている積み木

薬剤師として年収を上げたい場合、どのような方法があるのでしょうか。
具体的な年収アップのポイントとしては、以下の4つが挙げられます。

  • 勤務対象エリアを広げる
  • ラウンダー・在宅専門・管理薬剤師などの手当がつきやすい職種に転職する
  • 急募の職場を選ぶ
  • 自分の年収が適正値か調べる

それぞれ詳しく説明します。

勤務対象エリアを広げる

前述の通り、薬剤師の年収は地域によって大きく異なります。

一般的な職業では都市部の給与が高い傾向にありますが、薬剤師の場合は必ずしもそうではありません。都市部には多くの薬剤師が働くため、求人の選択肢は豊富です。

一方で、地方では薬剤師の需要が高く、高待遇の求人が出やすい傾向にあります。
給与アップを目指すなら、勤務地を地方にも広げてみるのが良いでしょう。

ラウンダー・在宅専門・管理薬剤師などの手当がつきやすい職種に転職する

ラウンダー薬剤師は、特定の店舗に固定されず複数の店舗を巡回して勤務するスタイルです。生活環境が安定しにくい面はありますが、その分給与面で優遇されやすい傾向があります。

また、患者さまのご自宅や施設を訪問する在宅専門薬剤師も、訪問手当やオンコール手当が支給される場合があり、移動を伴うため体力面の配慮は必要ですが、収入アップが期待できる働き方です。

さらに、薬局やドラッグストアで医薬品管理やスタッフの監督を担う管理薬剤師は、役職手当や管理薬剤師手当が加わることで高収入につながりやすいポジションといえます。

このように、手当がつきやすい職種を選ぶことで収入アップが実現しやすくなります。ただし、高い給与にはそれに見合った責任が伴う点を理解しておくことが大切です。

急募の職場を選ぶ

年収を重視する場合、「急募」の求人に注目することも1つの方法です。

事業拡大や、急な退職者が出た場合など、人手不足に悩んでいる職場では、急募で薬剤師を募集するケースがあります。この場合、優秀な人材を出来るだけ短い期間で迎え入れるために、通常よりも高い給与を提示する可能性があるのです。

薬剤師としての経験や実績があれば即戦力として期待されるため、高収入の職場へ転職できる可能性があるでしょう。

ただし、急募の背景には、離職率が高いといった何らかの理由が隠されている可能性も考えられます。求人情報だけでなく、職場の雰囲気や人間関係についても事前に情報収集をしておくことが大切です。

自分の年収が適正値か把握する

年収アップを考える方は、現在の年収が適正値かどうかを把握し、具体的な希望年収を設定したうえで転職活動を進めるのがおすすめです。

今の職場の年収が高いのか、それとも低いのかを知りたい場合は、平均年収と比較したり、転職コンサルタントに相談したりする方法があります。
薬剤師の平均年収は、厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査などの公的なデータや、求人サイトや転職エージェントが提供している専門コンテンツから調べることも可能です。

転職コンサルタントに相談

薬剤師の転職事情に精通したコンサルタントは、多くの薬局や企業に直接足を運んでいることから、豊富な情報と知見を保有しています。
そのため、あなたの年収が市場全体で見て適正であるかを判断するにはコンサルタントに相談するとよいでしょう。

また、年齢や地域、業種、規模感など、多角的な視点からアドバイスを得ることができるため、年収アップに向けた具体的で深いアドバイスを、客観的な立場から得ることができます。

転職先の視野を広げて年収アップを成功させよう

貯金箱にお金を入れる薬剤師の様子

薬剤師の年収は、他の医療従事者と比べて高い水準にありますが、勤務先によって大きな差が生じます。

特にドラッグストアや企業は年収が高くなりやすい傾向があり、また、都市部よりも地方のほうが平均年収が高いケースもあります。
このように、働く地域も年収を左右する重要な要素と言えるでしょう。

薬剤師として年収アップを目指す場合、勤務エリアを広げることやラウンダー在宅専門、管理薬剤師など手当のつきやすい職種を選ぶことも有効な方法です。
また、急募案件に目を向けることも、良いチャンスになるかもしれません。

まずは今の年収が自分にとって適正かどうかを把握しましょう。
その上で、より良い条件の職場を探すことが、キャリアアップへの第一歩となります。

今回ご紹介した情報を参考に、ご自身に合った働き方と満足できる年収の実現を目指して、前向きに転職活動を進めてみてください。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2025/09/18

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