服薬指導に活かす医薬品情報

チラーヂンS錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

本剤は、生体の甲状腺ホルモンT4と同じ構造の製剤です。甲状腺ホルモンにはT4(チロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)がありますが、生体内では多くがT4として甲状腺より分泌され、末梢で脱ヨード化され活性型のT3となり作用を発揮します。T3は半減期が短く血中濃度の維持が難しいため、通常補充目的には半減期の長いT4製剤を使用します。 適応症は「粘液水腫、クレチン病、甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)、甲状腺腫」です。

Q

用法・用量は?

A

通常、1日1回25~400μgを経口投与(適宜増減)します。甲状腺ホルモン投与で基礎代謝が亢進し心負荷がかかることがあるため、補充は少量から開始し徐々に漸増します。一般に、投与開始量には25~100μg、維持量には100~400μgを投与することが多いようです。

Q

相互作用について

A

アルミニウム含有制酸剤、鉄剤等と同時投与により本剤の吸収が遅延又は減少することがあります。やむを得ず併用する場合にはアルミニウム含有制酸剤は本剤服用の前後4時間、鉄剤は前後2時間は服用を避けるよう指導しましょう。アルミニウムは市販の胃薬等にも含まれるため、市販薬も含め併用薬を確認することが大切です。

Q

投与時の注意点は?

A

体内にある甲状腺ホルモンと同じものなので、副作用は基本的には問題になりませんが、過量の場合に動悸、息切れ、発汗、手指振戦等、甲状腺中毒症の症状が発現する恐れがあります。 甲状腺ホルモン分泌は、日内変動をみると午前中の方が生理的範囲内で少し高くなること、本剤は内服後2~4時間後に最高血中濃度に達することから、午前中に服用するのが一般的です。しかしT4の血中半減期は約1週間と長く、継続服用するうちに時間がずれても血中濃度の変動はほとんどなくなるため、いつ服用しても血中濃度への大きな影響はありません。飲み忘れに気づいたときは、気づいた時点でその日の分を服用するよう指導しましょう。数日程度の飲み忘れで甲状腺機能がすぐに低下することはありませんが、アドヒアランス不良の場合には十分な効果が期待できません。そのため、服用時点ではなく飲み忘れに重点をおいて服薬指導を行うことが大切です。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2018/03/05
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