服薬指導に活かす医薬品情報

スーグラ錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

適応症は「2型糖尿病」です。他の糖尿病薬との併用に制限はありませんが、糖尿病治療の基本はあくまで食事療法、運動療法ですので、それらを十分に行った上で効果が不十分な場合に限り本剤の使用を考慮します。

Q

用法・用量は?

A

通常、50mgを1日1回朝食前又は朝食後に投与します。効果不十分な場合は、経過を十分に観察しながら1日1回100mgまで増量できます。

                

Q

作用機序は?

A

本剤は、SGLT2を阻害することで、糸球体で濾過されたグルコースの腎近位尿細管での再吸収を抑制し、血液中の過剰なグルコースを体外に排出させ血糖値を低下させます。

           

Q

どのような方に適している?

A

血液中の過剰なグルコースを体外に排出することで、脂肪分解が促進し体重減少効果が認められているため、肥満傾向にある2型糖尿病例に適していると考えられます。食事療法、運動療法を行ったうえでSGLT2阻害剤を投与した場合、2~3kg程度の体重減少が期待できるといわれています。


一方、重度の腎機能障害のある患者や透析中の末期腎不全患者では糸球体濾過率が低下しているため、本剤の効果は期待できません。


また、浸透圧利尿による脱水をきたしやすいため、高齢者や利尿剤を併用している患者では慎重に投与します。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等が発現した例も報告されており、十分な注意が必要です。

Q

注意すべき副作用は?

A

本剤により尿糖排泄が促進するため、膀胱炎等の尿路感染症や、陰部のかゆみ・炎症等の性器感染症が起こる可能性があります。尿路感染症が重症化すると、腎盂腎炎敗血症等の重大な疾患を引き起こす可能性もあるため、本剤服用中は毎日お風呂に入る等体を清潔に保つとともに、頻尿、排尿痛、陰部のかゆみ・違和感等を感じた場合はすぐに相談するよう指導します。


また、本剤の服用により脂肪分解が促進し、ケトン体が増加することで、ケトアシドーシスを起こす可能性があります。悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合は直ちに医療機関を受診します。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2019/08/08
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります