服薬指導に活かす医薬品情報

ユリス錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

痛風、高尿酸血症』の治療に対して効能・効果を有します 。

Q

用法・用量は?

A

通常、成人にはドチヌラドとして1日1回0.5mgより開始し、投与2週間以降で1日1回1mg6週間以降には維持量の1日1回2mgに増量します。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて増減しますが、最大投与量は1日1回4mgです。

Q

作用部位・作用機序は?

A

尿酸は腎臓の糸球体で100%濾過された後、近位尿細管において再吸収・分泌・分泌後再吸収の過程を経て、濾過された尿酸の約10%が尿中に排泄されます。近位尿細管での尿酸輸送はトランスポーターを介して行われ、再吸収には URAT1 が、分泌には ABCG2、OAT1、OAT3 等が関与しています。ドチヌラドは尿酸の再吸収に関与するURAT1を選択的に阻害することで、近位尿細管における尿酸の再吸収経路のみを阻害し、尿中への排泄量を亢進させます。

Q

注意すべき副作用は?

A

(痛風)関節炎、四肢不快感、軟便、γ-GTPの上昇、腎結石等が挙げられています。

Q

基本的な注意事項は?

A

ドチヌラドは尿酸降下薬であるため、痛風関節炎(痛風発作)発現時に服用すると症状が増悪する恐れがあります。そのため症状が治まるまで投与は控える必要があります。また、投与初期は尿酸排泄量が増大するため、尿が酸性の場合患者に尿路結石及びこれに由来する血尿、腎仙痛等の症状を起こす可能性があります。これを防止するため、水分を多めに摂取して尿量を増加させたり、尿のアルカリ化をはかる必要があります。

メタボリックシンドロームと高尿酸血症
メタボリックシンドロームは高尿酸血症と高い頻度で合併することが知られており、その背景の一つにインスリン抵抗性の存在が挙げられています。インスリン抵抗性とは血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用(糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ等)が得られない状態のことを指します。インスリン抵抗性が高まると膵臓から更にインスリンが分泌されるため、血中のインスリン濃度が上昇します。インスリンには近位尿細管での尿酸再吸収に係る URAT1 の発現を誘導し、活性化する作用があります。また、分泌を担う ABCG2 の発現を抑制する作用もあることから尿酸の排泄量が低下してしまい、高尿酸血症を引き起こすとされています。

Q

投与に際し注意すべき患者は?

A

尿中への尿酸排泄量を増加させるので、尿路結石を伴う患者への投与は注意が必要です。また、重度な腎機能障害患者 (eGFR30mL/min/1.73m2未満)や重篤な肝機能障害患者 (AST 又は ALT100IU/L)、には臨床試験を行っていません。妊婦や授乳婦への投与も動物実験の結果から注意が必要とされています。

Q

他の尿酸排泄促進薬との違いは?

A

尿酸排泄促進薬であるプロベネシド(ベネシッド)や、ベンズブロマロン(ユリノーム)は共に URAT1 を阻害しますが、プロベネシドは分泌を担う OAT1、 OAT3 をより強く阻害してしまい、ベンズブロマロンは同じく分泌を担う ABCG2 を URAT1 と同程度阻害することが分かっています。


掲載日: 2022/09/08
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