モイゼルト軟膏 0.3%・1%(一般名:ジファミラスト)
ここがポイント!
Q |
【何のお薬?処方目的は?】 |
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A |
ホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害し、軽症から中等症のアトピー性皮膚炎の症状を改善します。 アトピー性皮膚炎の患者さまの末梢血白血球ではPDE4様活性が亢進し、細胞内cAMP濃度が低下していることが報告されています。 PDE4はcAMPを分解する酵素であるため、PED4を阻害することにより炎症細胞内のcAMP濃度を高めます。これにより種々のサイトカイン産生が制御され、皮膚の炎症が抑制される仕組みです。 既存のPDE4阻害薬としては、経口薬のアプレミラスト(オテズラ)が乾癬等の適応で臨床使用されています。 【アトピー性皮膚炎の薬物治療】 アトピー性皮膚炎外用薬(非ステロイド)
アトピー性皮膚炎の治療は、病態に応じて薬物療法、皮膚の生理学的異常に対する外用療法・スキンケア、悪化因子の検索と対策が基本となり、これらを個々の症状の程度や背景などを勘案し適切に組み合わせます。 外用薬治療では、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏が長年使用されてきましたが、それぞれ皮膚萎縮や毛細血管拡張、使い始めの皮膚刺激感などの副作用もあります。 近年、デルゴシチニブ軟膏や本剤が発売され、新たな選択肢となりました。※ また、経口薬や注射薬でも新たな全身療法が登場し、中等症以上の治療の選択肢も広がってきています。 |
Q |
【用法・用量、使用上の注意点は?】 |
A |
成人には1%製剤、小児には0.3%製剤を1日2回患部に適量を塗布します。 ○患部を刺激しないよう、のせるように塗りましょう。目安はティッシュが皮膚にくっつく程度に。 保湿剤や他の抗炎症外用剤との併用に制限は設けられていません。 また、本剤は基剤中に微細な液滴として分散した液滴分散系軟膏であり、他剤と混合することは好ましくないとされています。 ○本剤と他の外用剤が処方されていた場合は、使用部位や医師の指示を確認しましょう。 |
Q |
【副作用や注意事項は?】 |
A |
規定量では全身性副作用の報告は少なく、局所副作用に色素沈着障害(1.1%)、毛包炎、そう痒症などがあります。全身曝露が高くなる恐れのある粘膜、潰瘍部分を避け、免疫抑制作用から皮膚感染部位を避けます。 妊娠や授乳への影響は不明な点が多く、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいです。また、妊娠可能な女性には投与中~終了後一定期間の適切な避妊を指導するとされています。 ○医薬品リスク管理計画(RMP)が作成されています。患者さま向け資材を活用しましょう。 (2024年9月10日時点) |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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